中国、人民元と株が値下がり-トランプ氏政権復帰で関税懸念
(ブルームバーグ): 中国のオフショア人民元は6日の取引で約2年ぶりの大幅下落となり、香港に上場している本土株も大きく値下がりした。米大統領選の開票が進む中でトランプ前大統領の優勢が報じられ、トレーダーらは今後生じ得るボラティリティーに備えた。
オフショア人民元はドルに対し一時1.3%下げ、2022年10月以来の下落率を記録。香港上場の本土株から成るハンセン中国企業株(H株)指数は2.6%安で取引を終えた。
本土株の指標CSI300指数は0.5%下落。さらなる景気刺激策への期待から比較的小幅な下げにとどまった。
トランプ氏は中国製品に最大60%の関税を課す方針を示しているが、こうした措置は中国経済を一段と弱体化させ、グローバルなサプライチェーンを混乱に陥れる恐れがある。
同氏のタカ派的なレトリックに投資家が慣れてきたため、2期目の大統領就任でも中国市場への影響は軽微との見方もあるが、政策の不透明性と高まる緊張感が引き続き市場のボラティリティーを高める可能性がある。
ピクテ・アセット・マネジメントの大中華圏債券責任者ケアリー・ヤン氏は、「トランプ氏の勝利に対する条件反射として、人民元のボラティリティーが短期的に高まる」と予想。長期的な相場動向は、関税実施と米国の利下げ軌道に加え、経済を安定させるため中国が取る政策の規模に左右されると同氏は述べた。
トランプ氏のリードが広がる中で、本土市場の人民元は一時0.9%下げた。
原題:Chinese Markets Rattled as Trump’s Return Stokes Tariff Fears (抜粋)
--取材協力:Ran Li、Tania Chen、Neha D'Silva、Winnie Hsu.
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