巨人の大型FA補強への賛否が再沸騰!
V奪回を狙う巨人が大型補強に成功した。先発では横浜DeNAで今季11勝をマークした山口俊(29)、左の中継ぎでは、ソフトバンクの森福允彦(30)をFAで獲得。かつて巨人の“十八番”だったFA補強は、2014年オフにヤクルトの相川亮二、横浜DeNAの金城龍彦の2人を獲得して以来、2年ぶり。 先日トレードでは、将来の大砲候補と言われ続けた大田泰示(26)を放出して、日ハムの先発、吉川光夫(28)を獲得、菅野智之(27)、田口麗斗(21)、マイコラス(28)の3人にしか計算の立たなかった先発陣をテコ入れした。 まだ正式発表はされていないが、新外国人として元楽天のケーシー・マギー内野手(34)とも合意。これは、阪神との争奪戦に勝利したもの。昨年オフは、野球賭博問題の影響からか沈黙を守っていた巨人が来季の巻き返しに向けて超本気モードで、このオフに大補強を仕掛けたのである。 だが、広島や日ハムという補強に頼らずチーム生え抜きの育成に主眼を置いた両チームがペナントレースを制した球界の流れに逆らうような、その強化手法に対して早くも賛否両論が浮上している。毎年オフの恒例行事だった巨人の強化手法に関する是非論が2年ぶりに再沸騰したのだ。 元巨人OBでヤクルト、西武で監督、ロッテではGMを務めた“大御所”の広岡達朗氏は一刀両断した。 「巨人の監督、コーチが“うちでは選手を育てることができません”と言っているような補強だ。特に失望したのは、吉川ー大田のトレード。大器と呼ばれた大田を育てきれなかった。昔話で恐縮だが、古き良き時代の巨人は決してこうではなかった。トレードなどの補強はあったが、中心となる選手は走攻守3拍子が揃っていて、しっかりと内側から育て、チーム内に激しい競争の原理があった。 日ハム、広島の優勝は、育成の重要さを示し、またソフトバンクも、今オフはFA補強に乗り出さなかった。外国人にお金をかけるのは、資金力のある球団の長所としてよしとすべきだが、数年前から3軍を作り、育成の重要さに気がついたのだろう。巨人も3軍制を採用した。生え抜きの育成に目を向けていると思っていたが、また同じことを繰り返している。これでは選手が育たない。FA補強で勝って意味があるのか」 巨人フロントが聞けば耳の痛い辛辣な意見。昨季はソフトバンクが金満野球の批判を受けたが、巨人が来季V奪回に突き進んでも、金満野球という批判の声が外から乱れ飛ぶことは免れないのかもしれない。 その一方で元千葉ロッテで評論家の里崎智也氏のような巨人の手法に理解を示す向きもある。