ギネス公認「世界一高いスカイツリー」…じつは、「6世紀以来の日本技術」で建てられている、という驚きの事実
倒れない木塔
日本の歴史上、木造の仏塔は全国に500以上あり、それらの多くは兵火や雷火、失火、放火などによる焼失と建て替えを繰り返してきた。実際に存在した木塔の数は、それより何倍か多かったと考えられる(前掲の『五重塔はなぜ倒れないか』)。江戸時代から近代にかけての“廃仏棄釈(はいぶつきしゃく)”、仏教排斥思想のために破壊された仏塔も少なくなかったろう。 たとえば、天保年間(1830~1844年)、藩主・徳川斉昭下の水戸藩では190の寺が破却され、領内寺院から撞鐘(つきがね)、半鐘などが押収されて大砲の材料として使われたという記録がある。 明治元(1868)年には、明治政府によって廃仏棄釈政策が実施され、全国的に多くの寺院が破壊されている。 日本では過去、数百という数の木塔が失われている。雷火のような天災による焼失はやむを得ないとしても、兵火や廃仏棄釈などの“人災”によって、数多くの日本の木塔が破壊されたのはまことに遺憾なことだ。いずれも、歴史の流れの中の“事件”あるいは“愚行”として諦めるほかはない。古今東西、人間が“愚行”を犯すのは不可避のようである。 ところで、数百に及ぶ木塔が破壊された歴史がある中で、日本で多発する“ある災害”によって倒れた例は非常に少ないのだという。 その災害とは、「地震」である。「木塔が地震によって倒壊した例」がほとんど皆無なのである。 ---------- 古代日本の超技術〈新装改訂版〉 古代世界の超技術〈改訂新版〉 ----------
志村 史夫(ノースカロライナ州立大学終身教授(Tenured Professor))
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