台湾に忍び寄る“中国の影” インフルエンサーや芸能界に“誘い”が…
その“誘い”は台湾の芸能界にも… 台湾の歌手 祈さん(中国SNS) 「こんにちは、私は台北から来ました」 台湾の歌手・祈さんは先月、友人に誘われ、中国で開催された研修会に参加しました。中国メディアの取材も受け、研修会の様子をSNSに投稿したところ炎上。祈さんのSNSには「中国共産党にこびている」「これは共産党による統一のためのイベントだろう」との書き込みが投稿されました。 ただ、祈さんは… 台湾の歌手 祈さん 「異なる意見はあります。悲しいし、意味のない争いをする必要もない」
今年5月には、台湾の人気バンドが北京で行ったライブで「私たちは中国人」と発言。中国寄りの立場を示す台湾の芸能人は増えています。 こうした事態に頼総統は… 頼清徳総統 「台湾の芸能人が中国で政治的意思を表明するよう迫られている」 台湾当局は、「中国が交流の名目で統一作戦の宣伝活動を展開している」と警鐘を鳴らしています。 ◇ さらに今、活躍の場を求め自ら中国に進出し、中国側の主張に沿った発信をする若者もいます。 台湾の俳優 張さん 「中国で俳優をやるのは、やはり市場の大きさ」 4年前から中国に拠点を移した張さん。 台湾の俳優 張さん(SNSより) 「皆さん、こんにちは。私たちはなに? 中国人、そうでしょう?」 SNSでは台湾統一を支持する姿勢を示しています。 台湾の俳優 張さん 「中国、私の愛する祖国。私に幸福と快楽を与えてくれた」 張さんのファンは増え、中国政府が主催する台湾との交流を促すフォーラムにも招かれるようになりました。愛国的な発言や活動が評価されたのだと感じているといいます。 台湾の俳優 張さん 「中国政府は、私たちのような人気のある有名人の力を使って宣伝ができる。私がやっていることや話していることも中国政府の介入はないです」 ◇ 中国との向き合い方をめぐり、台湾社会の中で生まれる分断。統一を掲げる中国の揺さぶりに頼政権は対応を迫られています。