【秀麗富嶽十二景】二番山頂は唯一2000m超えの日本一長い山名で人気の頂から富士を望む牛奥ノ雁ヶ腹摺山
二番山頂は大菩薩山塊の主軸をなす小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山の2座になります。小金沢山は秀麗富嶽十二景の全20座の中で唯一の標高2000m超え。牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)は日本一長い山名として親しまれ、いずれも低山であってもスケール感の高いイメージを抱えて人気の2座です。その頂から望む富士は、蒼穹に凛々しい十二単をまとった絶世の美女です! 【写真】牛奥ノ雁ヶ腹摺山登山の魅力を見る(全11枚)
極上の富士山の眺望と林立する立ち枯れの木立の幽玄美
ひらがな読みにしてじつに14文字の日本一長い山名は、漢字にしても8文字が並ぶ牛奥ノ雁ヶ腹摺山です。その山頂からの富士山眺望は、まさに絶景。富士山の雄大さを存分に味わわせてくれます。スケール感は同じ二番山頂の小金沢山を上書きするほどに裾を左右東西に大きく広げて見ることができます。その立ち姿、見惚れます。 そして南側斜面に林立する立ち枯れの木々。この異形なる景観も、また牛奥ノ雁ヶ腹摺山の魅力でもあります。例えば登山当日が小雨やガスに包まれてしまうような眺望に乏しい1日にあって、秀麗な富士山との出会いが叶わなくとも、この立ち枯れの原野が醸し出す幽玄美は、最強のおもてなしでもあると思います。ゴシックでロマンティックな、そしてホラーにも感じる世界観に包まれながらの登下山は、他では味わえない極上のエンターテインメントかと思います。
単座でも縦走でも主役級の映えるエンターテイナーな山
牛奥ノ雁ヶ腹摺山へのアプローチは、最短ルートで行ける上日川峠線・すずらん昆虫館前バス停からのルートが人気のようです。JR中央本線甲斐大和駅から上日川峠バスが利用できるのと、すずらん昆虫館にも有料で駐車することができることでマイカー派にも重宝がられています。 ですが、この山に限らず秀麗富嶽十二景は比較的山々が近くに峰をつなげていることが多いこともあり、単座登頂で済ますことなく複数座の縦走を楽しむ登山ファンが多いのも特徴です。牛奥ノ雁ヶ腹摺山の場合は、北に座る小金沢山とその延長線上にある大菩薩嶺が同じバス路線を利用できるメリットもあり、縦走率が高いようです。一方で南側には黒岳を起点に同じ秀麗富嶽十二景の大蔵高丸、ハマイバを駆け抜けて滝子山にまで足を延ばす健脚組もいれば、黒岳から東に折れて大峠に向かうことも可能です。
ソトラバ編集部