アメリカンオークス覇者を母に持つ1.3億円馬 サンライズアレスが初陣/関西馬メイクデビュー情報
今週から秋の中京開催も後半に突入。年末のGIレースに向けて、新馬も続々と勝ち上がっているが、2022年秋の中京開催では後半にデビューした馬たちが大レースで活躍しているので、ここで紹介しておきたい。 【写真】ミラージュナイトこれまでの軌跡 中京8日目の芝1600mを勝ったダノンタッチダウン(父ロードカナロア)はデイリー杯2歳S2着の後、朝日杯FSでも2着。6日目の芝1400mを勝ったオオバンブルマイ(父ディスクリートキャット)は京王杯2歳S、アーリントンCで国内重賞を制し、1着賞金5億円のゴールデンイーグルを優勝。今年はどんな馬たちが勝ち上がってくるのか、そして今後どんな活躍を見せるか注目である。 【9月21日(土) 中京芝1600m】 ◆ザラタン(牝、父キズナ、母カメキチ、栗東・中竹和也厩舎) おじに2016年オーシャンSを勝ったエイシンブルズアイ(父Belgravia)がいる血統。そして、中竹和也厩舎のキズナ産駒の牝馬といえば、2021年エリザベス女王杯を制したアカイイトだろう。 8月21日のゲート試験に合格した後も栗東に在厩して調整。池添謙一騎手が跨った9月11日の坂路では新馬を追走して先着しており、4F時計は52.0秒をマーク。6時12分という時間帯を考えれば、高い評価ができる数字だし、2F25.0秒と後半がしっかりしている点も評価できる。 ◆ボーヌロマネ(牡、父マクフィ、母リサプシュケ、栗東・橋口慎介厩舎) 半兄ペイシャエス(父エスポワールシチー)は今夏のエルムSなどダート重賞で3勝を挙げている。本馬は2023年北海道サマーセール1歳にて、1500万円(税抜き)で落札されている。 5月1日にゲート試験を合格した後は牧場で調整。8月に栗東へ再入厩して、坂路とCWを併用して追い切りを積み重ねており、9月12日のCWでは3頭併せ。一番後ろから追いかけて遅れる形となったが、6F83.3秒でしっかりと負荷をかけられている。併せ馬では見映えする動きができていない現状だが、先週の追い切りで変化があっても不思議ではない。 【9月22日(日) 中京芝2000m】 ◆ミラージュナイト(牡、父バゴ、母ラキシス、栗東・辻野泰之厩舎) 同厩舎で管理されている半兄マキシ(父エピファネイア)は先週のケフェウスSで2着。勝つことはできなかったが、今後は重賞でも活躍が見込まれるような走りを見せた。母ラキシスは2014年エリザベス女王杯を勝っている。 本馬は5月16日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩。6月13日のゲート試験に合格した後は牧場へ戻って調整し、8月23日に再入厩している。9月11日のCWではレースでも騎乗を予定している川田将雅騎手が跨り、古馬1勝クラスを追走して先着。ゴール前はあまり余裕がないように見えたが、11.8秒から11.5秒のラスト2Fなら納得。この追い切りで最終追いは余裕を持った動きになってくるのではないだろうか。 ◆サンライズアレス(牡、父ドゥラメンテ、母デックドアウト、栗東・矢作芳人厩舎) 母はアメリカンオークスの勝ち馬。2023年セレクトセール1歳にて、1億3000万円(税抜き)で落札されている。 9月4日のCWでは新馬と併せて1馬身ちょっと遅れる形。6F82.6秒は決して遅い時計ではなかったが、ラスト1F12.4秒は少し物足りない数字。追い切りを進めていく方が良い動きを見せるタイプかなと思っていたが、9月12日のCWでの3頭併せでもラスト1Fは12.8秒。ただ、6F81.2秒と全体時計が速かっただけに仕方ないところ。ミスタージーティーやテンカハルといった格上を相手にここまで動ければ上等という評価が妥当なのかも知れない。 (取材・文:井内利彰)