液化水素貯蔵向け金属材料、零下253度で耐久性評価ーJFEスチールなど4者が新手法開発
JFEスチールなど4者は20日、極低温の液化水素の貯槽などに使う金属材料の耐久性を測定する新たな試験手法を確立したと発表した。液化水素貯槽向けで活用が想定されるステンレスなどの安全性評価に活用。試験結果を分析することで、より適切な金属素材を選定しやすくなる。 「大型広幅引張試験」と呼ぶ新手法で、JFEがスチール研究所千葉地区(千葉市)に持つ8千トン大型引張試験機を活用。零下253度という液化水素の温度以下に冷却・温度保持した金属片を用いて破壊試験を行える。 従来は困難だった世界初のデータ収集も可能になるという。この手法を活用し、液化水素タンクの候補材料となるステンレス「SUS316L」の安全性の実証にも成功した。 開発は、試験子会社のJFEテクノリサーチ(社長・瀬戸一洋氏)と工業ガス商社の鈴木商館、東京大学・工学系研究科川畑研究室と共同で実施。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業の一環で実施した。