ASTERISMがメタルで巨人との死闘を体現、ツアーファイナルで魅せた物語の完結
HAL-CA(g,vo)、MIYU(b)、MIO(dr)から成る若き実力派3ピースメタルバンド・ASTERISM。話題の最新作『PLANET OF METAL』を携え、アメリカ・ロサンゼルスから始まったツアーのファイナル「ASTERISM Live Tour 2024 -PLANET OF METAL- in Tokyo」を11月29日(金)、東京・代官山UNITにてを開催した。 【画像】ASTERISM、ツアーファイナルの様子(全9枚) 今回のツアーは、世界で活躍する人気イラストレーター・漫画家のAcky BrightとのCollaboration MUSIC BOOK『PLANET OF METAL』の収録曲中心に構成されており、ASTERISMが楽曲で表現したという「6体のモンスターとのバトルの模様」をAckyが描いたイラストを駆使した映像を織り交ぜながらライブで体現するという、前代未聞のコンセプチュアルな内容で実施された。その千秋楽となる東京公演には、老若男女の満員のオーディエンスが集結。ステージに登場した3人が同作のタイトル曲「Planet Of Metal」でラウドかつテクニカルな演奏を全力で披露すると、その華麗で圧倒的なプレイに会場は大歓声に包まれる。その後も「Gunfire」「BLAZE」と歴代キラーチューンを惜しみなく畳み掛け、弱冠12歳~15歳の頃からインストゥルメンタルメタルバンドとしてキャリアをスタートさせた者達の矜持を感じさせる、誰もがその一音一挙手一投足に釘付けとなるパフォーマンスを繰り広げてみせた。 「待ってたぜ、東京! 11月の頭から始まったツアー。初日がLAで、地元の福岡、大阪、そして、今日が東京、ツアーファイナルです! いちばん盛り上げていきたいと思います。どうぞ最後までよろしくお願いします!(HAL-CA)」「無事にツアーファイナルを迎えられて本当に嬉しいです。今日は感謝の気持ちを音に込めていきたいと思います!(MIYU)」 そして、ライブはいよいよAcky Brightが生み出した6体のモンスターたちとの対決へ。スクリーンに映し出される大迫力のイラストレーションを背景に「THE DRAGON」「THE NINJA」「THE SQUID」、MIOの轟音ドラムソロや多種多様な新旧メタルナンバーも織り交ぜながら「THE ZOMBIE」「THE ROBOT」との壮絶なバトルを展開していく。メロディックスピードメタルやプログレ、フュージョン、ミクスチャーロック、ジャズの要素を感じさせるプレイまであらゆる手法を駆使しながら、ドラゴンや忍者、大王イカ、ゾンビの群れ、ロボットとの命懸けの戦いをイマジネーションさせるアクトは圧巻。生の音楽を体感しながら、まるでアニメやロールプレイングゲームの世界に飛び込んでしまった感覚をここまで純度高く味わえるステージは珍しい。MCで「22歳になりました」とHAL-CAが照れながら語っていたが、若い3人(MIYUは22歳、MIOは25歳)が技術はもちろん、これほどの表現力をもってメタルを体現している事実は、今後のメタルシーンの発展において大きな財産と言えるだろう。 そんな新時代のメタルアイコンに成り得るスター性も感じさせてくれたASTERISM。HAL-CAが「次のバトルで私たちのこの長かった戦いの旅も終わります。次の敵がラスボス。その敵を倒すことで、私たちのこの物語の完結となり、そして、さらなるステージへの幕開けになるかもしれません。ということで、いちばん強い敵との戦い、しかと見届けてください」と話すと、とんでもない高速ギタープレイから爆発的かつドラマティックなベースとドラムも響き渡り、そこにエモーショナルな歌声も重なって「THE TITAN」、ギリシャ神話にも登場する巨人との死闘を体現してみせ、そして、その最後の戦いに見事勝利し、拍手喝采に包まれながらライブ本編は幕を閉じた。