108歳女性…夫が戦死、世界最高齢の現役理容師に 「お迎えが来ないように」と毎日続ける当たり前のことは?
世界最高齢の現役理容師として働く女性がいます。栃木県で「理容ハコイシ」を営む箱石シツイさん。11月10日に108歳を迎えます。2023年に世界最高齢の現役理容師に認定され、立てた目標は「109歳までハサミを握りたい」。「なるべくならお迎えが来ないように、今はそのためにできることをやっています」というシツイさんの生き方とは。 【写真】お仕事中の姿…108歳を迎えるとは思えません!
「考えすぎない、余計なことで悩まない」
シツイさんは1916年11月、栃木県那須郡大内村で農家の5人きょうだいの4番目として生まれました。12歳で奉公に出て、14歳で上京し、理髪店で働きながら理容師資格を取得。22歳のときに結婚し、新宿で理髪店を開業。2人の子どもに恵まれましたが、1944年に夫は戦争で出征。シツイさんは終戦から8年後、夫の戦死を知りました。2人の子どもを抱えて故郷に戻り、1953年に実家の近くに「理容ハコイシ」を開店。70年以上に渡り店を切り盛りします。日課は朝晩の体操で、2021年の東京五輪では聖火ランナーも務め話題になりました。 「年齢を意識せず、余計なことを考えすぎなかったからこそ、ここまで生きて来られたのかもしれません。困難も多かったので無我夢中、結果的にそのように生きてきてしまった、という感じなんですけれど。だから『考えすぎない、余計なことで悩まない』って、とても大事だと思うんですよ」(シツイさん) 「夜になるとね、『今日も無事に終わりました、ありがとうございます』と、仏壇の夫に手を合わせてから眠ります。そして目が覚めて、朝になってたら新しい一日が始まっているから、またその日にやることを、きちんとやる。そのくり返しでした。そうして気がついたら108歳に、というのが実感です」(シツイさん)
一番のモットーは?
シツイさんの教育方針は「ひるまず、うらやましがらず、あらそわず」。また、いい加減にならないこと、機嫌良くしていることを大切にしているといいます。 「自分のことは自分でやる。日々の暮らしの中で、これが一番のモットーです。それから、いつも機嫌良くしていたいと思っています。家族ばかりでなく、わたしを心配してくださる親戚やご近所の方、ケアマネージャーさんやたくさんの方にお世話になって暮らしています。その方々とも楽しく仲良くしたいですから、まずはわたしがいつも機嫌良くして、笑顔で『ありがとうございます』『おかげさまで』が言えるようにしていたいのです。こちらが笑えば、みなさんも笑顔で返してくださいますよ」(シツイさん)