サブスク別荘「SANU」の新建築、北軽井沢「MOSS」を体験 “森に溶け込む暮らし”の醍醐味<後編>
窓からは美しい緑の葉っぱをつけた木々や苔、岩がすぐそばに見えていて、自然との距離がとても近い。これだけ豊かな自然に囲まれているため、虫ともよく遭遇する。時に部屋の中にも現れるので、虫除けスプレーを持参すると良さそうだ。 都会育ちの子どもたちは虫を怖がることもあるかもしれないが、数日滞在すると慣れるようだとSANUのFounder兼、Brand Directorの本間貴裕氏は話していた。ちなみに筆者も決して虫が得意ではないが、1日滞在しただけで慣れてくる感覚はあった。
自然に囲まれ、地場の食材を味わう
SANUといえば、充実した設備(施設によって若干異なる)も特徴的。室内には音質にこだわったスピーカーやプロジェクターが備えてあり、ゆったりと映画や音楽を楽しむのに打ってつけの環境だ。
キッチンには、オーブンレンジや炊飯器などの調理家電、鍋やフライパンなどの調理器具、食器にカトラリー、基本的な調味料まで一式がそろっている。外にはバーベキュー台が備え付けてあり、網を持参すればバーベキューも楽しめる。
この日も何組かがバーベキューをしていた。涼しい北軽井沢の気候の中、森林のそばでの食事は特別な体験になりそうだ。ちょうど滞在していた子どもたちは、焚き火台の周囲で大はしゃぎで花火を満喫していた。 都心に暮らす子どもにとって、定期的にこうした自然と触れ合うのは良い学びになるはずだ。大人にとっても、みずみずしい緑に囲まれ鳥の鳴き声が聞こえる環境は、脳をリフレッシュさせ、五感が研ぎ澄まされるかもしれない。
一日の終わりには、サウナと水風呂で疲れを癒やすこともできる(一部の棟のみ)。木の香りに包まれて温まると、より癒やし要素が高まると感じた。
数日滞在すれば、より“暮らし”を実感
SANUの会員は、現地でリモートワークをしながら「観光」と「暮らし」をどちらも楽しむ人が少なくないという。高級ホテルのようなラグジュアリー感や人によるおもてなしはないが、美しく整理整頓された居心地のよい空間と十分な設備がSANUにはある。日常の延長を楽しむなら、むしろ至れり尽くせりでない環境が適しているかもしれない。 SANUが持つ非日常感は、いつもと同じ仕事、いつもと同じ食事も特別な時間にグレードアップしてくれる。一人で伸び伸びと過ごすのもいいが、大切な人と一緒に訪れたら、より印象的な思い出になるかもしれない。実際、筆者が大切な人たちとSANUをで過ごした過去の体験は、幸せな思い出として記憶に残っている。 今回は、1泊して翌日10時にはバスに乗って帰路に向かうスケジュールだったが、数日滞在すると、「セカンドホーム」の醍醐味を実感しやすいだろう。周囲には自然を生かした観光名所が多くあるが、滞在のどこかでゆるりと過ごす時間をつくると、SANUが打ち出す「都市と自然を行き来し、暮らすライフスタイル」の良さを存分に感じられるかもしれない。
取材・文:小林香織 /編集協力:岡徳之(Livit)/取材協力:SANU:https://2ndhome.sa-nu.com/