【日本人の3人に1人は脂肪肝】肝臓の脂肪を落とすには食事以外の生活習慣も大切!ストレスは上手に解消し、ぐっすり眠って体内時計を整えよう
頑張り屋さんほど要注意!体内時計と自律神経を整えよう
忙しくて体力を消耗し、睡眠不足で疲労がたまり、ストレスによって食欲が落ちる…。こんな疲労状態が続くと、脂肪が減って痩せていくのでは?と勘違いしてしまう人もいるようだが、これは大きな間違い。 「睡眠不足、夜型の生活リズム、スマホやパソコンの長時間使用、頑張りすぎる毎日、これらはすべて肥満を招きやすい生活です。なぜなら、これらは自律神経を乱すからです。 自律神経は交感神経と副交感神経、ふたつの神経からなる『体の生理機能を自動的に調整する神経』です。そして、自律神経は、もともと人体に備わっている『体内時計』に合わせて稼働しています。 交感神経はおもに日中に優位になり、心身を活動的にして脂肪の分解や燃焼にも関与します。一方、副交感神経は、おもに夜間に優位になり、心身をリラックスさせます。睡眠中に分泌される成長ホルモンによって日中に働いた臓器をリフレッシュさせる働きも担っています。 このふたつの神経がバランスよく働くことで、脂肪燃焼力の高い、太りにくくて痩せやすい体を維持することができます」 そして、こうした自律神経は体内時計がコントロールしている。 「体内時計を乱さないようにするには、朝の目覚めと夜の入眠をスムーズにすることが大切。先ほどもお話ししましたが、朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットし、食事でスイッチを入れます。夜は徐々に刺激を減らして休息モードに切り替えましょう。 頑張りやさん、生真面目な人ほどリラックスが苦手。ぜひ自分自身をゆったりと解放する時間を持つよう心がけてくださいね。それが痩せ体質につながります。生活習慣をがらりと変えることはなかなかできませんが、よさそうだと思ったことは、少しずつでもよいので日々の生活に取り入れてみてください」 【教えてくれたのは】 栗原毅さん 医学博士、栗原クリニック東京・日本橋院長。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした、栗原クリニック東京・日本橋を開院。おもな著書に、『図解で改善! ズボラでもラクラク! 1週間で脂肪肝はスッキリよくなる』(三笠書房)、肝臓専門医の視点を生かし、肝臓病や糖尿病、高脂血症などの「生活習慣病」の治療に従事。 イラスト/内藤しなこ 取材・原文/瀬戸由美子