【日本人の3人に1人は脂肪肝】肝臓の脂肪を落とすには食事以外の生活習慣も大切!ストレスは上手に解消し、ぐっすり眠って体内時計を整えよう
ストレスを感じると分泌されるコルチゾールがカギ!
「人間の体はストレスを受けると、腎臓の上部にある長辺が3~4cm程度の三角形をした小さな臓器『副腎』から、『コルチゾール』と呼ばれるホルモンが分泌されます。コルチゾールは、ストレスに対応するための活動に備えてエネルギーの供給を高めようと、糖質や脂質、タンパク質の代謝を盛んにします。さらに、体内に炎症があれば、これを鎮めて疲労を回復させるなど、体を活動的にしてくれます」 つまり、コルチゾールは、ストレスに対処するために必要不可欠な大切なホルモンであり、適量が分泌されていれば、上記のように私たちの体を元気にしてくれる働きをしてくれるのだ。 「ところが、大きなストレスが長く続くなどして、コルチゾールが長時間分泌して増えすぎると、内臓脂肪を増やす原因になってしまいます。 なぜかと言うと、コルチゾールはストレスを感じると『この難局を闘うためには体力が必要!』と感じて、たくさん食べ物をとって体力をつけようという指示を出します。これにより、食欲を抑える働きを持つホルモン「レプチン」の分泌量が減り、食べる量が増えるのです。こうして必要以上に糖質や脂質を摂取してしまい、それが中性脂肪となって蓄えられるのです」 また、ストレスに対抗するためのエネルギーを準備しておこうと、高血糖の状態を持続しようと働きかけるという。 「でも、これらの血液中の糖は、結局エネルギーとして消費されなければ脂肪として、特に内臓に蓄積されます。コルチゾールの分泌量が適度に調整されるよう、ストレスがかかりすぎたときは、それを上手に解消できるよう、スポーツや音楽など、自分なりのストレス解消法を身につけたいですね」
痩せ体質の鍵、それは1日7時間の睡眠!
「睡眠不足」は一晩だけでも、体に強いストレスを与え、翌日も終日、コルチゾールの分泌量が増えるといわれている。 「米国で32~59歳の男女を対象に行われた調査では、『平均7~9時間の睡眠をとっている人に比べ、肥満になる確率が、睡眠4時間以下の人は73%、5時間の人でも50%高い』ということがわかりました。 睡眠不足になると、食欲を抑える『レプチン』の量が減り、食欲を高めるホルモン『グレリン』の量が増えるため、食事量が増えて、肥満を招きます。脳が『栄養補給が必要だ』という指令を出すからです。 また、睡眠時間が減ることで肝臓の休憩時間が短くなり、肝臓の代謝機能が低下してしまいます。横になるだけでも、肝臓に流れ込む血液が約30%増えてリフレッシュできるのですが、そうした休息不足によっても、肝臓に疲労がたまりやすくなります」 さらに、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、骨の形成のほか、タンパク質の合成や脂肪の分解など、さまざまな代謝にもかかわっているそう。 「睡眠時間が減って成長ホルモンの分泌量が減ると、これらの代謝がスムーズに行われず、内臓脂肪の蓄積による肥満や、筋肉量の低下、肌の老化、骨粗しょう症などの原因にもつながります。 できれば7時間、睡眠をとるよう心がけましょう。というのは、細胞の修復やリフレッシュを行う成長ホルモンは入眠後から3時間で分泌を終え、その後全身に届いて働きを終えるまでに4時間必要だからです。 そしてできれば、その7時間の睡眠をとるのは、23時から6時までの、成長ホルモンの働きが活発な時間帯にするのが理想です。なかなか寝つけないという人も多いと思いますが、寝る前1時間はスマホやパソコンを使用しないようにするなどして、良質な睡眠をとるようにしたいですね。朝起きたら朝日を浴びて体内時計をリセットすると、夜になると自然に眠くなるリズムができます」 また就寝前の入浴も重要だと栗原先生。 「入浴には脂肪燃焼効果があり、『質のよい睡眠』を得るためにも効果的です。シャワーですませるのではなく、湯船にしっかりつかりましょう。お湯の温度は38~41℃がおすすめ。42℃以上の熱めのお湯は、代謝の働きを担う肝臓や心臓に負担をかけ、その働きを弱めてしまいます。 そして、15分以上お湯につかり、ふくらはぎをマッサージしたり、全身のストレッチを行ったりするとよいですね。また、最後に足のすねから先に、シャワーで水をかけ、先端の血流を刺激してふくらはぎのポンプ機能を高め、心臓に戻る血流を促しましょう。 お風呂に入る前と出た後に水分補給をすることもお忘れなく。就寝の2時間くらい前までに入浴でしっかり体を温めておくと、入眠がスムーズになります」