【MLB】 技巧派右腕ウィリアムズがナショナルズに出戻り 2年1400万ドルのお手頃契約
日本時間12月31日、FAとなっていた先発投手トレバー・ウィリアムズがナショナルズと再契約を結んだと、「ジ・アスレチック」のスティーブン・ネスビット記者らが報じた。契約は2年1400万ドルと言われている。前日に一塁手ジョシュ・ベルを呼び戻したのに引き続き、ナショナルズが出戻りのベテランでチームの層を分厚くする動きを継続している。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ 32歳のウィリアムズは今季13先発のみの登板にとどまったが、6勝1敗、防御率2.03、総合指標fWAR2.0と投げれば安定感抜群のパフォーマンスを見せた。4シームの平均球速およそ143キロ(88.9マイル)は、MLBの中で6番目に遅い(1000球以上)。しかし、その4シームを全球種中最多の36.4%の割合で投じ、被打率わずか.196と打者を完璧に抑え込んでいる。スリークォーター気味の低い腕の角度から、空振り率45.9%のスイーパーなどを4シームと織り交ぜ、打者を翻弄する技巧派右腕だ。 ナ・リーグ東地区で今季は順位を1つ上げ、4位でフィニッシュしたナショナルズは、徐々に再建脱出が現実味を帯びてきた。先発ローテでは3年目のマッケンジー・ゴア、2年目のジェイク・アービンがキャリア初めて規定投球回に到達。特にゴアはエースの素質を秘める好素材だ。彼ら以外にもミッチェル・パーカー、DJ・ハーズの両左腕が上々のデビューを飾っている。 今オフは既にホワイトソックスからFAとなっていたマイケル・ソロカを獲得済み。しかし、ソロカの補強は若手が多い先発ローテに安定感あるベテランを保険として加える意味合いの補強ではない。ソロカは今季の25登板中16登板がリリーフとしてのもので、最後の先発としてシーズンを完走したのは2019年の1シーズンのみだ。ただ、今季見せた奪三振力改善の兆候を買われ、来季から先発に本格的に再チャレンジする予定となっている。新加入のソロカを含め、未知数な部分の多いナショナルズの先発ローテにとって、ベテランのウィリアムズがもたらす安定感は無視できないものだ。 また、FA市場の先発投手が値段が高騰している今オフにあって、ウィリアムズの契約は非常にお手頃だ。たとえば、カブスと2年契約で合意したマシュー・ボイドは、33歳とウィリアムズより歳上、さらに今季の成績も8先発で防御率2.62とウィリアムズより劣る。しかし、ボイドは2900万ドルとウィリアムズの2倍以上の金額を得ている。ナショナルズとしてはリーズナブルな契約で補強に成功したと言えるだろう。