<転スラ>リムル、他国での友達巡りで友好度アップ おじさんたちの会話も可愛い?
サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・TVerほかで配)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれる。第60話(第3期12話目)は、テンペスト開国祭の準備に追われるなか、国外の協力者との打ち合わせを描いた「開催準備」。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】シュナの手料理に感激する吉田薫(他、「転スラ」60話場面カット) ■街中が一気にお祭りモード、ミョルマイルの久々の登場も リムルが魔王になったことのお披露目も兼ねた「テンペスト開国祭」の開催日が決定し、その準備に大忙しな住民たち。幹部たちもまたそれぞれの企画を発表するため、街は活気に満ち溢れていた。そんななか、シュナ(CV:千本木彩花)からのお願いで、イングラシア王国へと彼女を連れて行ったリムルは、そこで店を構える吉田薫(CV:小山剛志)に会う。開国祭のため、テンペストへ来てシュナに協力してほしいと頼むリムルだったが、この店を離れることはできないと断る吉田。しかし、シュナが作っただし巻き卵に舌を巻いた吉田は、特別にとシュナへの協力を約束するのだった。さらにその後、ブルムンド王国へと赴いたリムルは、そこでミョルマイル(CV:青山穣)と再会する。 前話にてヒナタたちとの和解も終えたテンペストは、ひとまずはなんの心配事もなく、「開国祭」に力を注ぐことができる状態となった。街中が一気にお祭りモードとなり、緊張感や重苦しい空気はゼロ。みんながのびのびと祭りを楽しもうとしている雰囲気が伝わってきて、今シリーズ中でもっともくつろいだ表情の数々が印象的だ。また今回アニメ初登場となったパティシエの吉田もいい味を出している。シュナに対して「俺に色仕掛けは通じねえぞ」と頬を赤らめて見せるなど、この後に登場するミョルマイルやフューズ(CV:成田剣)もそうだが、今回は全体的におじさんがとても可愛く感じるエピソードとなっている。そもそもリムルも人間時代はおじさんに近い年齢だっただけに、こうしたキャラクターとの相性は抜群なのかもしれない。 ■ミョルマイル、リムルとの企画打ちで大はしゃぎ! リムルはミョルマイルに、以前から仕込んでいたファストフード店を出店することを提案。さらには、開国祭で鉄板焼きの店を出そうと息巻いているヴェルドラ=テンペスト(CV:前野智昭)のサポートとして、腕利きのスタッフ5人をつけて欲しいと頼む。突然のヴェルドラの名前に内心では大いに肝を冷やしつつ、リムルへの恩返しのために一肌脱ぐことを決意したミョルマイルは、「楽しくなってきましたな」と笑う。さらにリムルは、ゆくゆくはテンペスト全体を一大保養地とする計画を打ち明け、そのためにも開国祭では大きな目玉イベントが欲しいと語る。大森林でのガイド付き旅行やハンティング体験など、リムルからアイデアの数々を聞いたミョルマイルは、イングラシア王国で流行っている歌劇や武闘大会はどうかと逆提案。この話に乗ったふたりはすっかり意気投合し、最終的には開国祭で武闘大会を開催することが決定し、その一切をミョルマイルが任されることとなった。どこまでも先の国の姿を見通すリムルの慧眼に驚きを隠せないミョルマイルは、開国祭を成功させた暁には、リムルの配下に加わることを誓うのだった。 リムルとミョルマイルが交わした長い会話は、話題盛りだくさんで見どころも満載。ミョルマイルは貴族からも一目置かれる大商人であり、基本的には自分の利にならないことには手を出さない合理的な人物。しかしそんな彼もリムルにだけは頭が上がらず、結局うまく乗せられていってしまうのが面白い。今回のリムルとの会話でも、悪徳貴族に対して啖呵を切ったかと思えば、ヴェルドラの名前にビビりまくったり、リムルの深謀遠慮に感嘆したり、推しのマサユキ(CV:松岡禎丞)のことをテンションMAXで語ってみたりと、とにかく忙しい。とくに後半に入ると、闘技場ビジネスについてリムルと次々にアイデアを出し合い、ついには「やってやる、やって見せますわい!」と燃え上がり、リムルも「素晴らしい!」と合いの手を打つなど、まるで漫才のような抜群のテンポ感が光っていた。ちなみにミョルマイルがリムルのことを慕っているのは、第1期第21話でスカイドラゴンから命を守ってくれたからではあるが、その後も付き合いを続けるうち、ふたりは王と商人という枠を越えた関係性になっていったのだろう。このふたりの掛け合いにはSNSでも「転スラはやっぱこういう会話が一番好きだな」「このふたりの悪巧み感がヨキww」などの声があがっていた。 ■フューズ、リムルの自由奔放さに困惑顔 ミョルマイルとの会談を済ませたリムルは、そのまま自由組合(ギルド)のブルムンド王国支部長であるフューズの元へ顔を出す。突然の魔王の登場に驚いたフューズだったが、リムルから今回の西方聖教会との顛末を聞くと、心底安心した様子を見せるのだった。リムルはフューズとブルムンド王に開国祭の招待状を渡すと、ギルドのグランドマスターであるユウキ・カグラザカ(CV:花江夏樹)も心配していたという話を聞き、彼にも招待状を送るのだった。 最後はフューズとの会話。久しぶりの訪問にも関わらず「よーっす! 遊びに来たよん」とこの上なく気さくに登場するリムルに、本気で困惑するフューズの姿が可愛い。フューズもミョルマイルと同じく、他国の人間でありながらもかなりの親リムル派で、リムルにとってみれば大切な友達のひとり。ただ有能すぎるうえに心配性なところがあり、今回も開国祭にミリム・ナーヴァ(CV:日高里菜)が参加するというリムルの別れ際の捨てセリフに対し、眉間にシワを寄せながら悶絶するなど、イジラレキャラの面目躍如といったところだ。このふたりの会話にはSNSでも「フューズの胃痛顔は最高w」「フューズさん…ほんと苦労人だなぁ…」などの声があがっていた。こうしてイングラシア王国の吉田、ブルムンド王国のミョルマイル、フューズと、初登場ならびに久しぶりの面々が揃い、リムルの容赦のないコミュ力が遺憾無く発揮されたエピソードとなった。さて次回第61話(第3期13話目)「各国と招待状」は6月28日(金)放送予定。期待して待とう! ■文/岡本大介