万博の大屋根「リング」、閉幕後の再利用はわずか4分の1か…引き取り「ほぼ無料」回答多数
2025年大阪・関西万博のシンボルとして建設が進む環状の大屋根(リング)について、閉幕後の再利用が見込まれるのは全体の4分の1以下の約6000立方メートルであることがわかった。再利用を希望する団体からは無料に近い形での引き取りを望む声が多く、万博協会が負担する解体費用が膨らむ可能性が出てきた。 【写真特集】中国は「竹簡」モチーフ・オーストリアは楽譜のオブジェ…各国の万博パビリオン完成イメージ
大屋根は1周約2キロ、幅30メートル、高さ12~20メートル。使用する木材の量は約2万7000立方メートルで完成すれば世界最大級の木造建築物となる。閉幕後は撤去する予定だったが、344億円の建設費に批判が上がり、万博協会が2月に活用案を公募していた。
公募では、自治体や学校法人、建設会社など20団体が再利用の提案書を提出。万博協会は、このうち実現の可能性があると判断した十数団体に、入札額や引き取りが可能な量を聞き取っていた。
その結果、確実に引き取りが見込めると判断した量は約6000立方メートルだった。入札額は「ほぼ無料」との回答が多かった。再利用する場合は、機械ではなく人の手で丁寧に解体する必要があり、追加の費用が発生するが、引き取り先に負担してもらうのは難しい状況だ。