【日本ダービー】武豊騎手がシュガークンとダービー7勝目へ挑む「何回でも勝ちたい」
3歳世代の頂点を決める日本ダービーが、26日に東京競馬場で行われる。35回目の騎乗で歴代最多を更新する7勝目を狙う武豊騎手(55)=栗東・フリー=は、シュガークン(栗東・清水久詞厩舎、牡3歳)で参戦。GⅠ7勝の半兄キタサンブラック(父ブラックタイド)が果たせなかった日本ダービー制覇へ、意気込みを語った。 ◇ 前人未到の日本ダービー7勝目を狙う武豊騎手が、今年はGⅠ7勝馬キタサンブラックの半弟シュガークンで参戦する。 「何回でも勝ちたいですよ。相手はものすごく強いですが、楽しみには思っています」 昨年は初騎乗のファントムシーフ(8着)の手綱を取ったが、今年は一昨年のドウデュースと同じくデビューから手綱を取る相棒と臨む。 初陣(2着)こそ2月の京都の新馬戦(芝1600メートル)と遅かったが、2戦目の阪神(芝2000メートル)で初勝利を挙げると、「意識しました」と競馬の祭典へ大きな期待を抱いた。前走の青葉賞はアタマ差ながら重賞初制覇。キャリア4戦で大舞台への切符をつかみ取った。「よく間に合いましたよ。権利を取らないとダービーに出られない中で結果を出せてよかったです」とたたえた。まだ4戦だが、「違う競馬場、違う距離で結果を出せているからね。キャリアは浅いけど、レースの内容はいろいろとやってこれています」と経験値を強調する。 〝ジンクス〟も打ち破ってみせる。青葉賞から参戦して日本ダービーを勝った馬はいない。1994年の重賞昇格後、2002年シンボリクリスエスなど6頭の2着が最高という高い壁だ。名手も「勝っちゃいけないレースを勝っちゃったね。それだけは不安材料」と周囲を笑わせながら、「ジンクスというより、普通に考えれば、皐月賞に出られる馬はそちらに出るし、レースレベルが違いますからね」と冷静に分析。「それでも楽しみですよ」と力を込めた。 半兄はコンビを組んで天皇賞・春連覇など一時代を築いたキタサンブラック。自身は騎乗していなかったが、14着に敗れた日本ダービーで兄の果たせなかった夢をかなえるチャンスだ。「体形や乗った感じも違うからね」としながら、「素質がすごくありそうな感じは最初に思いました。乗りにくい面もありましたが、だんだんと乗りやすくなっています」と兄同様のポテンシャルと成長を感じている。 12日にはJRA通算4500勝の偉業も達成。数々の金字塔を打ち立ててきた武豊騎手が、シュガークンを偉大な兄超えに導いて、府中のファンを熱狂させる。(山口大輝)