ANA、大阪万博特別機「EXPO ANA JET」就航 アクアフレッシュを初便記念品に
全日本空輸(ANA/NH)を中核とするANAグループは12月12日、大阪・関西万博の特別デザイン機「EXPO2025 ANA JET」(ボーイング737-800型機、登録記号JA58AN)を就航させた。初便は羽田発関西行きNH991便で、羽田空港の搭乗口では出発前にセレモニーを開き、初便限定のステッカーのほか、デザインが似ていると一部で話題だった歯磨き粉「アクアフレッシュ」を配るなどで就航を祝った。 【写真】初便の乗客にプレゼントしたアクアフレッシュ ◆万博・ANAのシンボル色を融合 特別機のデザインは、万博をイメージしたカラー(赤・青・グレー)と、ANAのコーポレートカラー(モヒカンブルー、トリトンブルー)を流線型に融合。風に乗って未来へ向けて飛び立つことを想起させるデザインに仕上げた。ANAによると、2025年11月ごろまで運航するという。 乗客には四角いステッカーをプレゼントするほか、客室乗務員(CA)が特別デザインのエプロンを着用する。紙コップもオリジナルデザインで、プレミアムクラスでは濃い青の「トリトンブルー」、普通席では薄い青の「モヒカンブルー」をベースとしたデザインを採用する。このほかANAグループのCAと地上係員は、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」をデザインしたピンバッジを着用。国内・海外空港の係員を含め約1万8000人が身に着け、万博を幅広くアピールする。 ピンバッジは12月下旬、エプロンと紙コップは1月以降の導入を予定する。 機体デザインは、KUZE DESIGN(東京・世田谷)が手掛けた。同社は羽田空港第2ターミナルの出発カウンターや、787-9やエアバスA380型機のビジネスクラス座席など、ANA関連のデザインを担っている。 ◆井上社長「世界への興味きっかけにして」 初便となったNH991便が出発した、羽田空港第2ターミナル61番搭乗口(スポット)付近で記念式典を開催し、ANAの井上慎一社長らが出席。井上社長は、1970年に開催された前回の大阪万博を訪れたときにエピソードを披露した。当時小学6年生だった井上少年は、前回の万博で海外の人々と初めて会い、世界には多くの民族があることを目の当たりにしたという。井上社長は今回の万博を契機に「かつての私のように、未来を担う若者が世界への興味と未来への希望を抱くきっかけになれば、と期待している」と語った。 NH991便は、61番スポット(駐機場)を午後1時31分に出発し、午後2時55分に到着。159人(幼児2人含む)が搭乗し、乗員6人で運航した。初便の乗客には、通常とは異なる丸いデザインの記念ステッカーをプレゼントしたほか、記念品としてアクアフレッシュも提供した。丸い記念ステッカーは、折り返しの関空発羽田行きNH992便でも提供する。 EXPO2025 ANA JETの運航は、ANAウイングス(AKX/EH)が担う。投入路線や便を固定せず、737-800が就航している国内線全路線が対象になる。 大阪万博は、2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)で開かれる。
Yusuke KOHASE