【高校サッカー全力新聞】山形明正が悲願の全国初進出 新たな歴史の1ページ
さくらんぼやラ・フランスなど、フルーツ王国として有名な山形県。これからの冬のシーズンは、蔵王をはじめとしたスキー場に、ウインタースポーツや温泉を求めて多くの観光客が訪れます。 12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。山形代表は、今回が初の全国出場となる、山形明正。初戦は12月29日の1回戦、鳥取の強豪・米子北と対戦します。
■はじめは「円形」だったグラウンド
創部以来初の決勝進出を果たした山形明正。ここまでの道のりは、決して平たんなものではありませんでした。山形明正サッカー部が産声を上げたのは1979年。部ではなく愛好会からのスタートでした。 当時は十分な用具もなく、他のチームにすね当てを貸してもらって公式戦に出場したこともありました。練習環境も、ソフトボール用の円形のグラウンドを野球部と分け合う形で使うという、決して恵まれたものではありませんでしたが、そんな環境の中でも、選手たちは全国出場を目指して努力を続けました。 転機になったのは、2011年。学校の新校舎が完成し、2年後にはサッカー専用の人工芝グラウンドが竣工。これまでの選手・スタッフの努力に加え、練習環境が整ったことで、全国レベルへのチームへと、階段を駆け上がることになりました。
■「歴史を作る、歴史を変える」山形明正
山形のサッカー史に、新たな1ページを刻んだ山形明正。今度は「全国初勝利」という新たな歴史に挑戦します。 さらに、主将の松田海生選手からは、県大会決勝の後「山形県勢は、全国1勝をしばらくできていないので、自分たちが、久しぶりの1回戦突破をしたいと思います」という話がありました。 実は山形県勢は、ここ16大会連続で、全国大会での勝ちがなく、初戦敗退が続いています。県勢17大会ぶりの初戦突破なるか。山形明正が目指す1勝は、チームとしても、山形県全体としても、大きな意味を持ちそうです。 (取材・文:高校サッカー選手権民放43社/山形放送)