埼玉パナソニックワイルドナイツ、ラストゲームを前にした堀江翔太、決戦を前にした松田力也に話を聞く。リーグワン プレーオフ決勝
もともと、『堅守速攻』が伝統的なチームカラーで、「逆転のワイルドナイツ」と呼ばれていたが、今季は試合の入りから、ボールをしっかり継続したり、ラインアウトのモールからトライを挙げており、得点力が上がったことがチーム力につながっていると言えよう。
昨季のワイルドナイツの総得点は539でリーグ4位、トライ数は69トライで5位だった。しかし、今季は747得点、106トライはダントツのトップで、とくに前半だけ見ると、昨季の275点から369点と大きく上昇している。
今季はワールドカップ直後の開幕だったが、ワイルドナイツには新しく大物外国人選手が入ることもなく、選手が大きく変わらず一貫性があったことが、影響していることは間違いない。
ワールドカップで南アフリカの優勝に大きく寄与したCTB(センター)ダミアン・デアレンデ、オーストラリア代表のWTB(ウィング)マリカ・コロインベテ、元南アフリカ代表LO(ロック)ルード・デヤハーの3人は昨季同様、今季も変わらずチームにフィットしていた。
アタックを担当している金澤BKコーチは「一番はコンタクトエリアでの判断です。チームでは、前を見ることを『アウェア』(aware)と呼んでいますが、(接点担当の)青柳勝彦FW(フォワード)コーチと一緒に、狭いエリアでもそれができるように一緒に作り上げて、今季精度が上がっている」。
「BKだけでなく、FWも密集したエリアで前を見ているのが、昨季との違い。それができているので、ボールの継続率も上がっているし、自分たちの持っているアタックが体現できている」と話した。
また、アタックのタクトを握るSO松田も、「もともとチーム全体として、後半からスイッチを入れる、というプランではやっていない。昨季の決勝も含めて、ちょっとした油断や、やられたらやりかえすという部分が少なからずあった」。
「しかし、今季は最初からスペースがあればどんどんアタックするし、強気でスコアを狙っていくことができている。もちろん、(昨季とほぼ)同じメンバーでやれているところも大きい。みんなの特性、癖もわかっているし、チームとして深みが出てきている」と胸を張った。