雨傘を「コウモリ」、雨着を「かっぱ」と呼ぶのはなぜ? 梅雨時期に知りたい 雨具の名前の由来とは
雨着のかっぱの由来はカッパではない?
雨が降ったときに着用するレインウェアを「かっぱ」または「雨がっぱ」と呼びます。川や池などに住むと伝えられる「河童(カッパ)」と関係している印象がありますが、漢字で書くと「合羽」となり、カッパとは別物です。 かっぱは、ポルトガル語の「capa」に起源があるといわれています。16世紀前後、ポルトガルから来航した宣教師たちが防寒用に着ていた「袖がなく裾が広い上着」を指し、日本でも真似て作られるようになったそうです。「capa」は「かっぱ」と呼ばれ、漢字で「合羽」と表現されるようになりました。合羽は単なる当て字という説もありますが、人が着ると両翼を合わせた鳥に似ていることが由来しているともいわれています。 もともと、かっぱの素材はラシャ(厚手の毛織物)製で、戦国時代の大名たちは最高級のラシャで作られたかっぱを身辺に置いたそうです。江戸時代になると木綿や桐油紙が素材として使われ、袖つきの形も登場。庶民にも広まっていきました。明治以降、防寒用のものを「マント」、雨具用を「かっぱ」や「雨がっぱ」と呼ぶようになったそうです。 以上のような背景から生まれた、コウモリ傘やかっぱという呼び名。今はあまり使わない言葉になっているかもしれませんが、古くから伝わる雨具に関する豆知識として紹介しました。お気に入りの傘や雨着で、うっとうしい梅雨の外出を少しでも快適にしたいですね。
鶴丸 和子