【円形の有機ELディスプレイを見よ!】 ミニJCWカントリーマン・オール4 BMW X1とコンポーネンツ共用多数
JCW=作為的アンバランス?
円形の有機ELディスプレイのインパクトは室内全体の印象を決めてしまうほど強烈だ。 おまけにドライバー正面には投影式のヘッドアップディスプレイがあるだけ。全ての情報や操作系がディスプレイ内に集約されているのだ。 メーカー的には「直観的に操作できます!」と言いたいのかもしれないが、個人的にはそう簡単でもなかった。オーディオを呼び出してラジオ局ひとつ選ぶのも時間がかかったし、ドライブモード「コア」とか「ゴーカート」などミニ世界の言葉に置き換えられていて煩わしい。ここはオーナーと一見(イチゲン)さんで評価が分かれるところだろう。 ミニらしからぬ強心臓も歴代JCWの特徴だ。今回も2L 4気筒ガソリンターボで317psに達している。踏めばすこぶる速いのだが、無用の長物という感もなくはない。 牧歌的なカントリーマンという響きと、ドライブシャフトの不等長具合がすぐにわかるオーバーパワーがクルマの中でケンカしていると感じるのは筆者だけだろうか? 乗り心地はいくぶんマイルドになったけれど、実用車として検証していくと、JCWカントリーマンにはアンバランスと思える部分がいくつもあるのだ。 とはいえ歴代のJCWは、そんな極端な感覚を面白がる人たちのためグレードなのだろう。だから今回の仙台往復も思ったより短い時間で走り切ることができたのだけれど、でもまぁまぁ疲れた。初めてJCWに触れる人は、少し慎重に選んだ方がいいと思う。
試乗車のスペック
価格:667万円(税込 オプションなし) 全長×全幅×全高:4445×1845×1645mm 0-100km/h加速:5.4秒 CO2排出量:189g/km 駆動方式:4WD 車両重量:1680kg パワートレイン:直列4気筒1998cc+ターボ 使用燃料:ガソリン 最高出力:317ps/5750rpm 最大トルク:40.79kg-m/2000~4500rpm ギアボックス:7速オートマティック タイヤサイズ:245/40R20(フロント)245/40R20(リア)
吉田拓生(執筆) 小川和美(撮影) AUTOCAR JAPAN(編集)