ECMOで命つなぐ4歳の女の子「絶対助けるからね」両親の思いとは
母・恵理さんは赤ちゃんについて「生存率はほぼ0%」と医師から宣告を受けました。それでも恵理さんは「今、お腹の中の命を諦めることはできない」と産むことを決断。当時試験的に人工羊水の注入を行っていた病院に通い、その後、都内の病院で出産の日を迎えました。 「もしかしたら、(赤ちゃんが)泣かないかもって心配しながらの出産でした。でも、のんちゃんがお腹から出てきて、産声がしっかりと聞こえて、とてもうれしかった。のんちゃんが生きてる、望みがかなったって」 (母・恵理さん) 産声は、初めて赤ちゃんが呼吸を開始した合図です。お母さんのおなかに羊水を注入していたおかげか、のんちゃんは弱々しいながらも肺が機能していました。病院での手厚い医療サポートもあり、生存率0%と言われていたのんちゃんは、奇跡的に命をつなぐことができたのです。
■「奇跡の子」の成長
出生後、のんちゃんにはわずかに腎臓があることがわかり、尿も出すことができました。腎臓の機能を補助する腹膜透析など、母・恵理さんが自宅で医療的なケアをしながら、のんちゃんは1歳の誕生日を迎えました。さらに成長し、水遊びをしたり、子ども用の車に乗ったりして遊べるようになりました。次の目標は腎移植。両親が提供した腎臓を移植することで、透析が不要になり、もっと元気になれるかもしれないということでした。
腎臓移植をするにはある程度の体格が必要ですが、のんちゃんは去年、身長・体重の目標をクリア。おしゃべりも上手になり、元気に成長していました。今年はじめには、腎臓移植に向けた検査も本格的に始まる予定でしたが、その矢先、肺炎になってしまったのです。
■「どうか、肺移植を」両親の願い
腎臓が悪い状態でも、両親が提供する肺の移植手術にふみきり、のんちゃんを救ってくれる病院がないか。母・恵理さんと父・満さんは面会時間以外は必死に情報を集めています。 「見つけた情報をもとに、国内、海外の病院に問い合わせていますが、(腎臓が悪いと)難しい手術になるからと、病院がなかなか見つかりません」 「私も(のんちゃんが)脳死や心停止なら、理解ができるかもしれません。ただ、肺が救命不可能と言われる中で、本当に不可能なのか、何か良い方法はないのか、必死に探すのは、親として当たり前だと思うのです」(母・恵理さん)