ECMOで命つなぐ4歳の女の子「絶対助けるからね」両親の思いとは
東京都内で入院中の4歳の女の子。生まれつき腎臓が弱いものの、今年のお正月にはおせち料理を食べ、「あけました」と元気に話していたのですが、1月、体調を崩して重い肺炎になり、今、人工心肺装置=ECMO(エクモ)をつけて命をつないでいます。親が提供する肺を移植し、助かる可能性がありますが、そこには大きな壁が。 ◇ ◇ ◇ 都内の病院の集中治療室に入院中ののんちゃん4歳。重い肺炎で、肺の役割を果たす人工心肺装置=ECMO(エクモ)がつけられてから、すでに4カ月がたちました。父・立川満さん、母・恵理さんは毎日、ベッドの傍らでのんちゃんの手を握りながら、声をかけ続けています。 「のんちゃん、頑張ってくれているね。偉いね。大好きだよ。きょうもありがとう。絶対助けるからね。ママはのんちゃんの味方だよ。一緒に頑張ろうね」(母・恵理さん)
のんちゃんにはエクモがついているため、体を動かさないように筋弛緩剤が投与され、痛みや苦痛を感じないよう麻酔薬も使われ、眠っているような状態が続いています。しかし、薬を少し弱めると、両親の「のんちゃん」という呼びかけにぱっちりと目をあけることもあるといいます。 肺炎になる前、去年秋には七五三のお祝いをし、今年のお正月には恵理さんの作ったお雑煮とおせち料理を食べ、「あけました」「あけました」とうれしそうに話していたのに…。その数日後、娘にエクモがつけられるとは 両親は想像もしていませんでした。
■急激に悪化した肺炎
のんちゃんが肺炎で入院したのは今年1月のはじめ。生まれつき体が弱いのんちゃんは、あるウイルスが元で肺炎になり、それが急激に悪化し入院の翌日にはICUで気管挿入し、人工呼吸器がつけられました。さらに入院から4日後。このままでは命が危ないと判断され、エクモがつけられました。診断は「ARDS(急性呼吸窮迫症候群)」。レントゲンを撮ると肺が真っ白になっていて、重い呼吸不全になっていました。 有効な治療薬もなく、エクモで肺を休ませ、回復を待つことに。しかし肺はなかなか回復せず、時間だけが過ぎていきました。 「のんちゃんは本当に頑張って頑張って1日1日を生きてくれている。1日1日がどんなにありがたいか、かみしめながら私も生きていました」(母・恵理さん)