羽生結弦が「ガンダム」を舞う! ファン感涙の圧巻の表現力、機体をモチーフにした衣装、リンクがまるで宇宙空間に
■ 「ガンダム」にフィギュアスケートの技術と芸術性が融合 右肩には翼とみられるデザインをあしらうこだわりようだ。哀愁も漂わせるボーカルに乗せたスケーティングには、コラボレーションする楽曲やアーティストへのリスペクトの念が深く存在しているようだった。 プロとなり、演者だけでなく、自ら作品を生み出していくクリエイティブな世界に身を置くからこその舞にも見えた。 自身のファンだけではなく、ガンダムファンをも納得させ、魅了する――。 そのためにオリジナル作品を存分に理解した上で、モビルスーツの動きなども振り付けに取り入れ、リンクがまるで宇宙空間になったかのような錯覚を植え付けていった。 演じるのがプロスケーターの羽生さんだからこそ、高さと幅を備えたトリプルアクセルなども組み込んで、ガンダムにフィギュアスケートの技術と芸術性を融合させた。 会場の熱気は最高潮に達し、演目が終わった瞬間、会場内は5000人超のファンによる惜しみないスタンディングオベーションに包まれた。 客席のいたるところでバナーが揺れる中、羽生さんはリンクサイドのステージへと拍手をしながら歩み寄りながら、観客にも西川さんへの称賛を促し、自らもがっちりと握手をかわした。
■ T.M.Revolutionの西川貴教さんとのコラボで世界観にこだわり 羽生さんと大物アーティストとの豪華コラボには、ファンタジー・オン・アイスの醍醐味が詰まっている。 これまでも、羽生さんは幾多の名アーティストの奏でるボーカルに乗せ、剛にも柔にも対応し、縦横無尽にリンクを滑って斬新なプログラムを演じてきた。 そこに新たな進化が加わった。テイストが違う今回は、アーティストとのコラボで曲を滑るという次元を飛び越え、「ガンダム作品」の世界観をリンクで演出するという、また一つ新たな変革を生み出していた。 この日のショー自体も前半に、西川さんが登場した場面で、劇場映画の主題歌「FREEDOM」が、アンサンブルスケーターたちによって披露されている。西川さんが生歌を響かせるステージがリンクへと動き出し、まるで艦長が戦闘に挑むモビルスーツ(アンサンブルスケーター)を操るかのようだった。 続けて、西川さんが歌い上げたのが、田中刑事さんが滑ったときの「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の名曲「BEYOND THE TIME」。前半に披露された2曲は、羽生さんが演じたクライマックスへの布石として、ショー全体の完成度を高める役割を担っていた。