まさに大出世! JFL→J1主力に這い上がった苦労人10人。躍進の末にスター軍団の仲間入りを果たしたのは?
FW:藤本憲明
生年月日:1989年8月19日 デビュークラブ:SP京都FC(当時JFL) J1デビュークラブ:大分トリニータ(当時J1) 現在鹿児島ユナイテッドFCで活躍する藤本憲明は、最もセンセーショナルなステップアップを遂げたJFL出身選手かもしれない。青森山田高校卒業後、近畿大学進学を経て、2012年にJFLを戦っていたSP京都FC(当時のチーム名は佐川印刷SC)した。 初年度は結果に恵まれなかったが、2013シーズンからゴールが出始め、2015シーズンは28試合9ゴール4アシストを記録。チームの攻撃を牽引する存在だったが、同年10月にクラブがJFL退会を発表し、それに伴い藤本も移籍を迫られた。 そこで手を挙げたのがJ3を戦っていた鹿児島で、同選手は2016年1月にプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせる。初年度からリーグ戦27試合で15ゴールを記録し、J3得点王に輝いた。翌2017シーズンはさらに得点を量産し、24ゴールをマーク。2年連続の得点王として獅子奮迅の活躍を見せた。 するとJ2の大分トリニータがこの活躍に目を付け、藤本を2018年1月に完全移籍で獲得する。その勢いはJ2でも止まらず、26試合で12ゴール5アシストと大活躍。チームは最終順位を2位とし、J1昇格を果たした。 その後、2019シーズンの途中でスター選手がひしめくヴィッセル神戸に加入。アンドレス・イニエスタやダビド・ビジャ、トーマス・フェルマーレンらとチームメイトとなった。その中で藤本は一定の出場機会を確保し、2020シーズンは28試合に出場して6ゴールをあげた。 現在はプロとしてのキャリアをスタートさせた古巣・鹿児島でプレーしており、10番を背負っている。35歳となったストライカーは、今季もJ2の舞台で5ゴールをあげている。
MF:宮本英治
生年月日:1998年8月3日 デビュークラブ:いわきFC(当時JFL) J1デビュークラブ:アルビレックス新潟 今季からアルビレックス新潟でプレーする宮本英治は、JFLからはい上がってきた選手だ。JFAアカデミー福島を経て国士舘大学に進んだあと、2021年に当時JFLを戦っていたいわきFCに加入する。 主にボランチとしてプレーする同選手は、初年度からチームの核として中盤に君臨。リーグ戦30試合に出場して1ゴール4アシストを記録すると、この年のJFL優勝に貢献した。翌2022シーズンからJ3に舞台を移し、宮本はプロ選手としてのキャリアを歩み始める。 Jリーグ初挑戦ながらチームは躍進を続け、序盤から上位をキープし、第19節以降は一度も首位を譲ることなくJ3優勝を達成した。そんな中、宮本はリーグ戦34試合に出場して2ゴール3アシストを記録。前年同様、ゲームメイカーとして中核を担った。 J2に昇格した2023シーズン、いよいよ同選手の稼働率は限界近くまで到達する。イエローカードの累積によって出場停止となった1試合を除き、41試合に先発起用された。そしてそのうちの40試合がフル出場である。 J2の壁は高く、2023シーズンのいわきFCは18位に終わった。しかし大車輪の活躍を見せた26歳のMFを他クラブが見逃すはずもなく、今年1月に新潟が完全移籍で獲得した。リーグ戦中盤に眼窩骨折の影響を受けるも、今季はここまで21試合でピッチに立っている。