“断水”続く被災地 積もった雪や池の水も活用 地震と津波に襲われた珠洲市は…
日テレNEWS NNN
能登半島地震の発生から9日目、いまだ被害の全容は見えていません。現在も断水が続く石川県珠洲市では、住民が積もった雪まで利用するなど、不自由な避難生活を余儀なくされています。「news every.」の鈴江奈々キャスターが取材しました。 ◇ 能登半島の先端、石川県珠洲市。 鈴江奈々キャスター(9日午前) 「このあたりも雪が積もっていまして、被害の状態がわかりにくくなっています。横を見ても建物が完全に押しつぶされていて、本当に多くの家屋が全壊しているような状況です」
雪に覆われた家屋の前でたたずむ人。風で揺らめくカーテンの向こうには生活のあとが残っていました。震度6強の地震と津波が珠洲市を襲いました。 鈴江キャスター 「津波が遡った影響でしょうか。堤防の上に船が打ち上げられています。手前にも船があります」 地震発生から9日目を迎えました。鈴江キャスターが出会った岸田さんは、美容室を開いていたといいますが、地震で店は倒壊。その場所で何をしていたのかというと… 美容室を営む岸田孝子さん 「そこに看板があって。奥が着付け室だったんですけど、9人のお預かりしていた着物があるんです。無事なのがないかなと思って、いま毎日こうして来ているんですけど」
新成人から預かっていた着物を探しているというのです。しかし… 美容室を営む岸田孝子さん 「下が雪と雨でどんどん崩れてきているので」 この積雪で店の倒壊がすすんでいます。 美容室を営む岸田孝子さん 「来年とかにまた成人式ができれば。本当にいまの子たち、コロナで学校生活あれで、やっと成人式だったのに、またこんなになっちゃったから本当にかわいそうで」 続く避難生活で、重くのしかかるのがライフラインの問題です。珠洲市や輪島市など約14900戸で停電が続いています。(※9日午後5時10分時点) そして何よりも困るのが断水です。
被災した珠洲市民(9日午前) 「お風呂とトイレですね。トイレはきついですね。雪をヤカンに詰めてお湯にしてそれで体を拭いたり、ウェットティッシュで体を拭いたり、それでみなさん我慢しています」 積もった雪を活用して乗り越えているということです。 石川県では少しずつ浄水場が再開されるなど復旧に向かっていますが、避難生活には不安が残ります。そこで“救世主”たる存在が9日から稼働しました。 独立行政法人水資源機構ダム事業部 長田仁次長(9日午後) 「この装置で作られた水は十分飲める水質になります」
池などから吸い上げた水を浄化し、飲料水に生まれ変わらせるというのです。見た目の変化は一目瞭然。においについては… 鈴江キャスター 「こちらが池の水になります。ちょっと藻のようなにおいが少しします」 一方、浄水後の水は… 鈴江キャスター 「におい全くありません。無色透明。においはありません」 2台の装置で1日あたり約10万リットルの水が供給可能になります。 独立行政法人水資源機構ダム事業部 長田仁次長 「被災地にもなんとしても水を届けたいという強い思いで取り組んでいるところです」 まずは生活用水として使用。水質検査が終わった後は飲み水として使われるということです。