阪神・掛布2軍監督は背番号「31」を復活!
阪神の本部長付き育成&打撃コーディネイターの掛布雅之氏(60)が26日、西宮市の球団事務所を訪れ、就任要請を受けていた2軍監督を受諾、正式契約を結んだ。28年ぶりにユニホーム復帰する掛布2軍監督の注目の背番号は、現役時代につけていた栄光の「31」を付けることも決定。新監督の金本知憲氏(47)が、現役時代の鉄人ナンバー、背番号「6」をつけて指揮を執ることも正式に決まり、来季、世代の違う2大スターが伝説の背番号が揃って指導者の立場で復活することになった。27日に球団から正式発表される。 掛布氏は、当初、「指導者が目立つべきじゃない。31番は、グラウンドを動き回る次代の選手がつければいい」と、現役時代に15年間つけていた「31」を復活させる考えはゼロだった。「31番時代の3倍働いて選手を育成する」という思いを込めた「93」、あの伝説の日本一チームの1985年にちなんだ「85」、或いは、球団の創設81年にちなんだ「81」と、3つの背番号を2軍監督として付ける候補としてリストアップして熟考していた。だが、球団サイドがこの日、背番号「31」の復活を強く要望、最終的にはその説得に折れる形で「31」の復活を受け入れた。 球団サイドが、金本新監督の「6」と掛布2軍監督の「31」の復活を強く求めた背景には、「改革」を打ち出した新しい阪神のイメージの象徴にしたいという狙いがある。そして、現役時代の背番号の復活の考え方としては、阪神の伝統ある「6」、「31」という名ナンバーをとりあえず、金本新監督、掛布新2軍監督の2人に預け、その番号にふさわしい後継者がチーム内から出てきた段階で“禅譲”するものとした。 金本新監督、掛布2軍監督、共に阪神の根本的な再建のためには、若手育成が必須だと考えていて、その使命感を背負いながら指導をスタートするという決意の証にもなる。当然、2人の責任感も増すだろう。 また同時に球団サイドには、背番号「6」と背番号「31」を使ったレプリカユニホームの販売など各種グッズの製作による営業面でのプラス効果も名ナンバー復活の目論見のひとつとしてありそうだ。いずれにしろ“ミスタータイガース”と“鉄人”の背番号の復活は、新旧、どちらの世代の阪神ファンをも満足させる究極のファンサービスとなることは間違いない。現状、2人以上にメディアの注目を集める選手が藤浪くらいしかいないのが寂しいが、今後、2人の背番号を誰が奪うかもファンによっては楽しみな焦点になるのかもしれない。 ちなみに背番号「31」は、掛布氏の前は、爪楊枝をくわえてホームランをかっとばし人気選手だったウィリー・カークランドがつけていた番号。ドラフト6位ながら、実質ドラフト外のテスト入団だった掛布氏が、「テスト生にこんないい番号をくれるのか」と感激したという話を聞いたことがある。長嶋茂雄氏の「3」と王貞治氏の「1」を足した背番号を求めたという話は、後からの作り話だそうだ。背番号「31」は、引退後、阪神、近鉄の名スカウトとして活躍、掛布2軍監督をこの世界に引き入れた故・河西俊雄さんが、現役時代につけていた背番号であり、その河西さんが、背番号「31」で阪神2軍監督を務めたという歴史もある。 虎ファンにとっては楽しみな2人の背番号のお披露目は、早ければ、現在、甲子園で行われている秋季キャンプ中の10月30日にも行われる方向だ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)