「岸田は体を張って暴投を止めなきゃダメだ!」崖っぷち巨人は「意地を見せる」ことができるのか…的中した横浜DeNA三浦采配と埋められぬ吉川尚の穴
対する“三浦番長”の采配はズバズバ的中した。 3回にオコエ、丸の連打で背負った一死二、三塁のピンチで、先制本塁打を許した岡本を迎えると、迷うことなく申告敬遠した。「腹をくくった」(三浦監督)勝負手だ。浅い回での申告敬遠は、賛否のある作戦だが、ここで牧のビッグプレーが窮地を救う。続く大城のセンターへ抜けるかという打球はマウンドに当たり若干方向が変わった。それを横っ飛びでキャッチした牧がセカンドへトス。4-6-2とわたる併殺で大ピンチが切り抜けたのである。 「本当スーパープレーですよ。あのプレーでね。ベンチも盛り上がりました。もう最高のプレーをしましたね。牧が作った流れでオースティンが一発で追いついてくれましたし、ベンチを最高の状態にしてくれました」 三浦監督の言葉通り、鉄壁の守りが、流れを呼び込み、グリフィンの逆球を誘い、4回のオースティンの同点アーチにつながったのである。 三浦監督は8回にも二死二塁で岡本を2度目の申告敬遠で歩かせた。徹底していた。回跨ぎの山崎が5番の大城を追い込んでからボール球に手を出させた。 3試合を通じて巨人はわずか2得点で30三振。そのうち見逃しの三振が13個だ。 巨人の打撃不振は、“CSあるある”である「試合勘の無さ」の問題なのか。 前出の評論家は「吉川不在の影響と、横浜DeNAの投手陣のストライクゾーン勝負の意識の高さ」と分析した。 「第1戦の増田、第2、3戦の中山と吉川の代役がノーヒット。巨人の選手層の薄い部分がこういう大事なゲームで浮き彫りになった。吉川が打ってきた3番に苦労して岡本が勝負されず5番にヒットが出ないのだから得点能力が著しく低下して当然」 今季56試合に「3番・二塁」で起用され、打率.287、5本塁打、46打点、65得点、12盗塁で、出塁率.341、得点圏打率.274の成績を残している吉川を左脇痛で欠いていることがチームに大きな影を落とした。 第1戦で代役を任された増田、第2,3戦で起用された中山はいずれもノーヒット。加えて3番も、第1戦にオコエ、第2戦に中山を使ったがヒットがなく、この日、3番に置いた丸が2安打を放つものの、後ろの岡本が申告敬遠され、5番の大城にヒットが出なかった。5番問題も深刻で、第1戦、3戦で起用された大城、第2戦で任された坂本はいずれもノーヒットである。 加えて同評論家は横浜DeNA投手陣の意識の変化を指摘した。 「阪神とのCSファーストステージから横浜DeNAの投手陣がストライクゾーンで勝負にきている姿勢が目につく。見逃し三振が多いのは、裏をかかれている証拠だがそれだけストライクで攻められているということ。ベンチのバッテリーへの意識づけがレギュラーシーズンとは違ってきている」