領土に「舌なめずり」のトランプ氏…「パナマ運河・グリーンランドに『軍事オプション』可能」
ドナルド・トランプ米国次期大統領が7日(現地時間)、パナマ運河とデンマーク領グリーンランドに対する統制権を確保するために軍事力を使用するオプションも排除しないと話した。米国の51番目の州になるべきだと主張してきたカナダに対しては関税など経済的手段で圧迫すると話した。 トランプ氏はこの日、自宅があるフロリダ州マールアラーゴで開いた記者会見で「パナマ運河とグリーンランドに対する軍事または経済的強圧を排除するか」という質問に「どのようなことについても確言はできない」とし「私はそれ(経済・軍事的オプション排除)を約束しないだろう」と答えた。 ◇「グリーンランド投票を妨害すればデンマークに関税」 トランプ氏は米国の経済・軍事安保的側面からこれら2カ所の重要性を強調し、パナマ運河とグリーンランドを米国の領土に編入する必要があるという主張をしてきた。 トランプ氏は特にこの日の会見では「グリーンランドには約4万5000人(実際は約5万6000人)が住んでいて、彼らが独立のために投票をするなら米国に編入されるだろう」としながら「もしデンマークがそのように(グリーンランドの独立を妨害)するなら、デンマークに非常に高い水準の関税をかける」とした。 トランプ氏がグリーンランドの米国編入が必要だと主張した根拠は安全保障の問題だった。トランプ氏は「もしデンマークにグリーンランドに対する権限があるなら、自由世界の国家安保のために放棄しなくてはならない」とし「望遠鏡で見なくてもグリーンランドの周辺には中国とロシアの艦船が四方にあり、われわれはそのようなことが起きるまで放置はしない」と述べた。 グリーンランドはデンマーク領だが現在住民たちは独立国に準ずる自治権を保証されている。理論的にはいつでも国民投票を通じて独立を宣言できる根拠は用意されているという評価だ。 ◇「中国がパナマ運河を運営…パナマと議論中」 トランプ氏はパナマ運河に関しては、パナマが運河使用料を米国に過度にかけて「パナマが協定のすべての面で違反し、道徳的にも違反した」とし「運河(問題)を現在彼ら(パナマ)と話し合っている」と主張した。 トランプ氏は「ジミー・カーター元大統領がパナマ運河(運営権)を1ドルで渡したが、彼らは他国の船よりも米国の船と海軍に多くの費用を請求している」とし「彼らが米国にしていることは、米国の船だけをぼったくり、米国海軍をぼったくっていること」と話した。 トランプ氏は特に「中国がパナマ運河を運営している」とし「パナマは運河補修のために(米国が)30億ドル(約4740億円)を支援するように望んでいるが、私は『その金を中国から受け取ったらどうだ』と言ってやった」と話した。 トランプ氏はまた、メキシコに対する貿易赤字に言及し、メキシコ湾の名称を「米国湾(Gulf of America)」に変更すると話した。トランプ氏は「メキシコ湾が多くの領土を包括している」とし「『米国湾』というのは本当に美しい名前」と自賛した。 ◇「カナダには『経済的な力』を使う」…NATO(北大西洋条約機構)には「5%国防費出すべき」 トランプ氏はパナマ運河とグリーンランドに対する軍事力投入を排除しないと話したこととは違い、カナダに対しては軍事力ではない「経済的な力」を通じて圧迫する考えを明らかにした。 トランプ氏は「米国はカナダを保護するために毎年数千億ドルを支出していて、カナダを守るために数千億ドルを支出している」とし「人為的に引かれた線(国境)を取り払えば国家安保にとってもはるかに良いことになる」と話した。 トランプ氏はすでに辞任の意向を明らかにしたカナダのジャスティン・トルドー首相に関しては「彼と電話した時、『われわれが補助金を与えなければどうなるだろうか、われわれはパートナーなど必要ない』と話した」とし「するとトルドーは『そうすればカナダが解体される』と話した」と主張した。 トランプ氏は欧州に対しても「米国は欧州連合に対して3500億ドルの貿易赤字を抱えているが、彼らは米国の自動車と農産物を買わない」とし「だからわれわれも彼らと共にはしないだろう」と話した。あわせて「NATOは(現在のガイドラインである)2%ではなくGDPの5%を国防費として出すべきだ」と強調した。 この日の会見は昨年11月5日行われた大統領選挙でトランプ氏が勝利してから2回目の会見であり、前日上・下院合同会議で大統領選挙結果に対する認証手続きが終了した後に行った初めて会見だ。