財布の拾い主「落とし主に謝礼を求める」は正論?それとも非常識?
拾い主に「報労金」もらえる権利はあるけれど…
路上に落ちていた財布を拾って警察に届けたら、「ちょっぴり善い行いができたな」と何だか晴れやかな気分になるもの。ところが、財布の落とし主に謝礼を求めたことで、そんな気分が暗転してしまうケースもあるようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、謝礼を渡す姿勢を見せない落とし主にイライラを募らせる拾い主からの投稿が寄せられています。 【イラスト】大谷翔平選手の妻・真美子さんが持つバッグの抜群の宣伝効果はエルメス「バーキン」並み? 投稿者の「ライラック5号」さんは、ある日の昼下がり、落とし物の財布を拾い、交番に届け出ました。警察官が財布の中身を確認すると、ただちに落とし主が判明し、トピ主さんのもとに落とし主から電話連絡がありました。 その際、トピ主さんは「お礼をもらう権利」を主張したそうです。いったん電話を切り、その後、再び電話がかかってきましたが、落とし主はただ「ありがとうございました」と言うばかりで、謝礼を渡す気配はありませんでした。 「普通は相手からお礼の話を切り出すものではないのでしょうか? 開いた口がふさがらず、非常識かつ無神経も甚だしい」。憤慨するトピ主さんは、発言小町に思いをぶつけました。 落とし物に関するルールを定めた「遺失物法」では、路上などで拾われた落とし物の持ち主が判明した場合、拾い主は落とし物の価値の5~20%に相当する額の「報労金」を受け取る権利が認められています。 ただし、実際に報労金の受け渡しをするか、金額をどうするかなどについては、警察は介入せず、落とし主と拾い主の双方が話し合って決めます。 落とし主にお礼(報労金)を求めたトピ主さんは、法律上は「正論」を訴えたことになります。ところが、発言小町には、財布を拾った経験のある人たちから、トピ主さんに批判的な意見が相次ぎました。 「金品を拾ったことが数回ありますが、いずれも(報労金を受け取る権利を)放棄しています。こんなに権利を主張する人がいるなんてびっくりです」と語るのは「主婦」さん。 「ドルフィン」さんは「確かに落とした持ち主が、謝礼を言い出すのが普通だと思いますが、それがなかったからと言って、自分から要求するのは疑問です。いやしさがにじみ出ているようで、自分にはできません」と痛烈なコメントを寄せ、「セイレーン」さんも「ありがとうと連絡があっただけで十分です。そんなにお礼が欲しいですか? 10万円入っていたとしても、お礼は5千円から1万円ですよね。いらないです。トピ主さん、がめついです」と指弾しました。 一方、「落とし主が謝礼のことにふれなかったことがおかしい」(「ぽん」さん)、「報労金を請求することに何ら問題はありません。相手は規定を知らないか、お礼をもらう権利を予想外に主張されたので驚いて、どのように対応したらいいのかわからなかったのかもしれません」(「通りすがり」さん)などとトピ主さんを擁護する人も。 ただ、こうした声は少数で、大半の人は、拾い主が報労金を受け取る権利があることを知りつつ、「お礼は気持ちだけで十分」とおうような構えのようです。