三菱UFJ信託銀行のDXキーマンが教える、技術よりも大切なスキルとは?
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2025」の「親子で選ぶ『自分に合った』業界&働き方 企業選び編」を転載したものです。 「銀行」と聞くと、店舗での仕事を即座にイメージするかもしれない。実際には「それ以外」の事業がたくさんあり、中には未来の主要事業もあるだろう。そこで生かせるスキルは多様化している。デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して新たな価値を創り出す三菱UFJ信託銀行で実務を行う方々にどんな「スキル」を身に付けているのか取材した。先入観を捨てて業界・企業研究を進めてみよう。(ダイヤモンド・ライフ編集部) 予測型AIのモデリングや、データサイエンスを用いた分析、可視化を行う職場の様子 ● 金融×IT 三菱UFJ信託銀行のケース デジタル化が急速に進む金融業界。三菱UFJ信託銀行で全社的なDX推進を担うデジタル戦略部で働く2人に取材し、実務内容や活躍する人に共通する特徴を聞いた。 この部署は、主にデータ活用やAI(人工知能)などのデジタル技術を用いて、事業部門の課題の解決策を提案する“コンサルタント”のような役割を担っている。 実務をする上で、重要なポイントは何か。同部署の学術的な専門人財である西潟裕介ジュニアフェローは「技術を知ることは重要だが、それ以上に事業を理解し、課題に合わせて適切な解決策を検討して推進することが大事」と言う。 日々の仕事はどのように進めているのか。一つの取り組みは1カ月から3カ月程度のスパンで集中的に取り組むことが多い。 例えば、顧客自身がまだ気付いていない潜在的なニーズを、AIやデータ分析を用いて、明らかにする。その結果をデジタル戦略部と営業担当者で共有し、デジタル技術になじみがない営業担当者でも提案活動に生かせるように試行錯誤を行う。 複数の案件を同時に進行させるため、効率的に作業をこなすスキルや、各案件の進捗に応じた柔軟な対応も求められる。チームでのコミュニケーション能力は不可欠で、組織のマネジメント能力も必要だ。このように仕事を通じて得られるスキルは多岐にわたる。