藤川球児「始まりは一緒でも終わっていく時間はバラバラ」 野村克也の格言も新人に伝承
日本野球機構(NPB)の新人研修会が12日に開催され、12球団の新人選手121人に、阪神の藤川球児球団本部付スペシャルアシスタントが講演しました。 【画像】新人合同自主トレでノックに取り組むDeNA・度会隆輝選手 藤川さんは冒頭の挨拶で、「自分が1番うまいと思っていますか?僕は入団会見の時に、自分が1番活躍すると言いました。でもできなかった。何年間も。プロ野球の世界は小さな毎日の勝負事の積み重ねです。そんな中、自分に打ち勝っていこうと思うと、必ず迷ったり悩んだりするときがある。その時は迷わず前を見る。(上位指名の選手は)注目を浴びる代わりに厳しい言葉が飛ぶこともある。言われているのは期待の裏返しです。みんなが期待されているから、『どうした?』と言われる。その時に(下位指名の選手たちは)しっかりと自分の地盤固めに取り組んで下さい。支配下も育成の選手も(プロに)入ったら関係ない。始まりは一緒でも終わっていく時間はバラバラ。『誰よりも自分が長く活躍する』と思い続けることが、最後に諦めない姿勢に変わる」と、ルーキーたちにプロ野球選手としての心構えを説きました。 「(選手たちに)講義・講演というよりはダイレクトにやりたかった」と、ルーキーからの質問に答えた藤川さん。 「抽象的な質問が多いですよね。『どうしたら長く活躍できるか』『成功する選手と成功できない選手の違い』だったり。まだまだ(プロに)飛び込んでいないですから。見えないものに対する恐怖感だったので、ああいう質問形式でよかった。ふわっと質問が来るので、今やるべきはここだよと話をしました」 そして自身がプロ1年目の時に野村克也監督から言われた『野球選手である前に社会人であれ』という格言を後輩選手にも熱く伝えました。 「当たり前のことを当たり前にやるところと、現役中よりも年齢を重ねるにつれて社会生活を送ることが重要になってくる。子どもたちも見ているし、大谷選手や山本由伸投手、人間的にも素晴らしい選手がたくさんいます。そういった鑑(かがみ)があるので、彼らのようなどこに出ても恥ずかしくない選手になってほしい」