【明日の金ロー】前作以上に「ダブルプリンセス」の魅力が爆発する「アナと雪の女王2」
6日の金曜ロードショー(後9時)は、先週の続編「アナと雪の女王2」(2019年)が本編ノーカットで登場。日本では前作から5年後に公開され、こちらも興行収入は133・7億円と、同年の海外映画では第1位を獲得した。 物語は前作から3年後。妹のエルサや雪だるまのオラフらと幸せに暮らしていた女王のエルサは、自分にしか聴こえない不思議な歌声を耳にする。時を同じくして、アレンデール王国では火や水が”暴れ出す”という不思議な現象が起こった。 エルサたちは、その謎を解き明かそうとする中で、原因がアナとエルサの両親の過去、そしてエルサが魔法の力を持つことになった理由につながっていることを知る。未知の世界に足を踏み入れた姉妹が、そこで目にしたものは…。 何と言っても「アナ雪」の魅力は、プリンセスがエルサとアナ、2人いるとことだろう。性格が正反対でありながらお互いを尊重し、助け合う姿は、他のディズニー作品では見られないもの。今作は、前作以上にそれぞれが別の形を取りながら、「アレンデールに安定を取り戻す」という共通の目的のために力を尽くす姿が描かれている。 ところで、先週のコラムでは、モデルとされているのはノルウェー第2の都市・ベルゲンと書いた。本作では、それを物語の中からのぞくことができる。 最初が、水害が起こる可能性を話す時のクリストフの「フィヨルドにあるものを根こそぎ押し流す」という言葉。小中学校の社会の授業を思い出した人もいるかと思うが、「フィヨルド」とは氷河によって土地が浸食され、複雑な地形となった湾のこと。これはノルウェーがあるスカンディナビア半島に多く見られる地形で、「フィヨルド」という言葉そのものもノルウェー語で「深く入り込んだ湾」を意味するという。 さらに物語の後半、エルサが過去の記憶をたどるシーンでは、登場する男女が「何を読んでるの?」「デンマークの童話だよ」という会話を交わす場面がある。本作がデンマークを代表する世界的童話作家・アンデルセンの「雪の女王」を原案としているのももちろん理由だと思うが、同国はノルウェーと海を挟んで隣り合う国。まさに”地元”の物語を読んでいることなのだろう。 ちなみに、ちょっと話がずれるが、ノルウェーと共にスカンディナビア半島にはスウェーデンが位置するが、同国といえば記者が真っ先に思い出すのは「ニルスの不思議な旅」ですね…。(高柳 哲人)
報知新聞社