三菱UFJ銀行などに業務改善命令 金融庁
三菱UFJ銀行とグループ会社の証券会社2社が、顧客の同意を得ずに顧客企業の非公開情報を共有していた問題で、金融庁は24日、3社に金融商品取引法に基づく業務改善命令を出しました。 対象となったのは、三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ銀行と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券の3社です。 この問題をめぐっては、証券と銀行の間での情報共有を禁止されている株式の売り出しや企業買収などの非公開情報が、少なくとも13回にわたって3社の間で共有されていました。 こうした法令違反などを受け、金融庁は3社に対して、再発防止に向けて、経営管理態勢やガバナンスの改善計画を7月24日までに報告するよう求めています。 一方、持ち株会社の三菱UFJフィナンシャル・グループについては、法律に基づく行政処分の対象とはしませんでしたが、グループ全体の経営管理態勢や内部管理態勢が不十分だったとして、原因の説明などを求める報告徴求命令を出しました。 金融庁は「MUFGのグループ全体で、こうしたことが行われていたことは大変遺憾である」として、グループ全体で再発防止に向けた改善策をしっかり検討するよう求めています。 三菱UFJフィナンシャル・グループは「お客さまをはじめ、関係者の方々にご迷惑、ご心配をおかけしていることを、心よりお詫び申し上げます。主要な直接子会社において、銀証連携ビジネスの実態に適した管理態勢の整備が不十分であったものと認識しており、かかる事態を招いたことを重く受け止めております」などとコメントしています。 この件を受けて、鈴木金融担当相は「我が国を代表する金融グループにおいて、グループ内の銀行や証券会社間で顧客情報の不適切な授受等が行われていたことは、法律が禁じていることであるから、大変遺憾だ」と話しました。