都立城北中央公園で「古代フェスティバル」 茂呂遺跡・栗原遺跡を特別公開
板橋区と練馬区にまたがる城北中央公園にある茂呂(もろ)遺跡(板橋区小茂根5)と栗原遺跡(練馬区氷川台1)が11月3日、「古代フェスティバル」の一環で特別公開される(板橋経済新聞) 【写真】奈良時代初め頃の竪穴式住居跡を復元展示する栗原遺跡 茂呂遺跡がある石神井川に面した丘陵一帯は、縄文時代早期の土器破片などが散見される場所として古くから地域住民に知られていたが、1951(昭和26)年3月、土器採集に訪れた一人の中学生が黒曜石製の石器類を発見。この発見を元に、同年7月に行われた明治大学と武蔵野郷土館(現・東京都江戸東京たてもの園)による合同発掘調査の結果、旧石器跡時代の遺跡であることが判明した。当時は日本国内で2例目、南関東では初となる旧石器時代の痕跡が確認されたとして全国的に注目を集め、1969(昭和44)年3月に都の史跡に指定され、1985(昭和60)年に板橋区の登録記念物となった。出土品の石器22点は1999(平成11)年3月、都の有形文化財に指定された。現在、遺跡は保護のため周辺の立ち入りが禁じられている。 栗原遺跡は1955(昭和30)年、立教学院大学総合運動場の造成工事に際して発見。同年から翌年にかけて行われた発掘調査で、弥生時代から平安時代の住居跡18件が見つかったほか、旧石器時代の石器や縄文時代の土器・石器が出土している。同所にはかやをふいた奈良時代の竪穴住居が復元され、華やかな印象がある奈良の都に対し、地方農民の暮らしぶりを伝える展示となっている。同遺跡の竪穴住居跡は1988(昭和63)年、練馬区が指定文化財に登録した。 栗原遺跡の公開時間は10時~12時。練馬区の学芸員が10時10分~・10時30分~・11時~・11時20分~11時40分~の5回、遺跡周辺の解説を行う。事前予約制で各回定員20人程度。予約は城北中央公園サービスセンター窓口と電話(03-3931-3650)で受け付ける。荒天中止。 茂呂遺跡の公開時間は13時~15時。板橋区の学芸員が遺跡内部で解説する。予約不要。前日と当日雨天の場合、地面のぬかるみなどに伴う参加者の安全確保と埋蔵文化財保護のため公開を中止する。 いずれも参加無料。両遺跡の公開可否は、城北中央公園のXで前日11月2日17時までに知らせる。
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