吉川晃司さん、布袋寅泰さんの寄付10億円で能登復興基金を創設へ
能登半島地震被災地の再起を図るため、石川県は「能登復興応援基金」を創設することを決め、12月県議会に関連議案を提案した。原資になったのは、歌手の吉川晃司さんと、ギタリストの布袋寅泰さんの2人による伝説のユニット「COMPLEX」の復興支援コンサートの収益金10億円だ。 【写真まとめ】二重被災した孤立集落で見た爪痕 1980年代から大人気となった2人は、88年にユニットを結成。90年に活動停止したが、2011年に東日本大震災からの復興支援のチャリティーライブを行い、話題になった。 今年正月の能登半島地震発生後にも再び立ち上がり、5月に東京ドームで2日間、能登半島地震被災地のためのライブ「日本一心」を開催した。 収益金の提供申し出を受けた県は、息の長い支援につなげるため基金創設を決定。来年度から、能登官民連携復興センターを通じ、現地で活動する団体などから支援計画の公募を受け付け、活動資金として活用する。 具体的には、漁業など特色ある1次産業の再興▽伝統文化や地場産業の活性化▽子どもたちの健やかな成長などのための活動・交流の拠点づくり--などを想定している。 馳浩知事は、記者会見で「行政の支援を補完する上で大変ありがたく、長期にわたる能登の創造的復興に向けた取り組みに活用できるように、他の寄付金の受け皿として基金を設置することとしました。本当にありがとうございます」と深い感謝を述べた。2人は、「趣旨に共感、ご理解をいただいたたくさんの皆さまがご来場くださり、公演を大盛況裡(り)に終えることができました。改めて、被災された方、そのご家族、関係者のみなさまに心からお見舞い申し上げます」などとコメントしている。【竹中拓実】