福島第1原発デブリ、放射線量は基準以下 7日にも事故後初の回収へ
東京電力は5日、福島第1原発2号機の溶融燃料(デブリ)の試験採取について、回収装置の先端にある爪形器具でつかんだデブリの放射線量を測定した結果、基準値以下だったことを明らかにした。6日以降、デブリを専用容器に収納する回収作業に着手し、早ければ7日にも完了する見通し。回収に成功すれば、原発事故後初となる。 東電によると、つかんだデブリは5ミリ程度の大きさで、5日午前に放射線量を測定。作業員や周辺住民への影響を考慮し、デブリから20センチ離れた距離で毎時24ミリシーベルトを超えた場合、原子炉内にデブリを戻す計画だったが、測定値は毎時約0・2ミリシーベルトだった。 東電は10月30日、原子炉の底にあるデブリに向けて装置のケーブルを垂らし、先端に取り付けた爪形器具で小石状のデブリをつかんだ。今月2日には事故後初めて原子炉外にデブリを取り出すことに成功した。6日以降、デブリを運搬用容器に収納できれば、回収作業は完了となる。 回収後はグローブボックスと呼ばれる密閉装置に移して重さや大きさなどを測定。その後、日本原子力研究開発機構(茨城県大洗町)へ運び、デブリの成分や硬さなどを分析する。炉心溶融(メルトダウン)した福島第1原発1~3号機には推計880トンのデブリがあり、その取り出しは「廃炉の最難関」とされる。