勤続37年、定年後「再雇用」で働くか迷っています。これまで“1社”でしか働いたことがないのですが、今から「再就職」は難しいでしょうか? 同じ会社で働く方が無難ですか?
昔は、定年後には働かずに年金のみで生活していく人が多かったかもしれませんが、現在は多くの人が定年後も働いています。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、60~64歳の73.0%が、65~69歳の50.8%が就業しています。 今まで同じ会社で何十年も働いてきた人は、定年後に働く場合は「再雇用」で働くか、「再就職」するかで迷うこともあるでしょう。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える? 本記事では再雇用と再就職の違いやそれぞれのメリット・デメリット、再就職する場合の注意点について解説します。
再雇用・再就職の違いとは?
再雇用と再就職の違いがはっきり分からず、混同している人もいるかもしれません。 再雇用とは、会社の再雇用制度を利用して、定年後も今までと同じ会社で働くことです。中には、子会社やグループ会社に再雇用される場合もあります。基本的には従業員が希望すれば、会社が定める年齢まで働けます。 再就職とは、定年後に別の会社に就職することです。いわゆる転職と近く、再就職するには求人票などを見て応募し、就職試験や面接に合格する必要があります。
1社だけで働き続けてきた場合の再雇用のメリット・デメリット
今まで1社だけで働き続けてきた場合、再雇用で働くことにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずはメリットを見ていきましょう。 長年働いた会社で再雇用となるメリットは、これまでと変わらない職場環境で仕事ができることです。慣れ親しんだ会社に今まで通りの方法で出社し、人間関係も新たに構築する必要はありません。仮に職場が変わったとしても同じ会社ですので、再就職ほどの大きな変化は生まれにくいといえます。 デメリットですが、再雇用の場合は肩書などが変わり、定年前よりも給与が下がる場合が多いです。リクルートが2023年におこなった調査によると、定年前後で同じ会社で働いている人の85%以上の人が定年前よりも給料が下がっています。長年働いている間に役職が上がっていたとしても、再雇用後には以前の部下が上司になる場合も珍しくありません。