【貯蓄格差】70歳以上「貯蓄ゼロ」と「貯蓄2000万円以上」の割合を比較
受給開始年齢は原則65歳からですが、収入を公的年金だけに頼らず、働く方が増えています。 ◆70歳代の二人以上世帯・単身世帯の貯蓄円グラフを見る しかし、70歳以降になると、収入を年金の受給に頼る生活が本格的にはじまります。 昨今の急激な物価上昇もあり、年金だけでの生活は苦しいのが現状。そんなとき頼りになるのは、現役時代に貯めた老後の蓄えです。 今回は70歳代世代の「貯蓄ゼロ」と「貯蓄2000万円以上」の割合を比較してみましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
70歳代の【二人以上世帯】と【単身世帯】貯蓄割合の傾向は?
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023(令和5)年」では、70歳代の単身世帯、二人以上世帯ごとの平均貯蓄額を確認することができます。 以下で、それぞれについてみていきましょう。 ●【二人以上世帯】70歳代の貯蓄割合 70歳代の二人以上世帯における貯蓄割合は次のとおりです。 ・金融資産非保有:19.2% ・100万円未満:5.6% ・100~200万円未満:5.1% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:4.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:5.8% ・1000~1500万円未満:10.2% ・1500~2000万円未満:6.6% ・2000~3000万円未満:7.4% ・3000万円以上:19.7% ・無回答:2.6% 上記より、貯蓄ゼロの世帯が「19.2%」、貯蓄2000万円以上の世帯が「27.1%」となります。70歳代の二人以上世帯において、貯蓄2000万円以上を達成している世帯の割合は全体の約3割を占めていることがわかります。 一方、約7割の世帯の貯蓄は2000万円未満。また、貯蓄ゼロの世帯は全体の約2割を占めていることがわかります。 ちなみに、全体の平均は「1757万円」、中央値は「700万円」です。平均は、全世帯の貯蓄の合計額を、世帯数で割った値を指します。 それに対して中央値は、貯蓄保有世帯のうち、貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べ、ちょうど中央に位置する世帯の値を指します。 そのため、中央値の方が、より実態をとらえた数値といえます。 ●【単身世帯】70歳代の貯蓄割合 70歳代の単身世帯における貯蓄割合は次のとおりです。 ・金融資産非保有:26.7% ・100万円未満:5.8% ・100~200万円未満:4.3% ・200~300万円未満:4.1% ・300~400万円未満:3.3% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.6% ・700~1000万円未満:5.1% ・1000~1500万円未満:8.6% ・1500~2000万円未満:5.3% ・2000~3000万円未満:8.2% ・3000万円以上:17.3% ・無回答:2.3% 上記より、貯蓄ゼロの世帯が「26.7%」、貯蓄2000万円以上の世帯は「25.5%」となります。 70歳代の単身世帯において、貯蓄2000万円以上を達成している世帯と貯蓄ゼロの世帯はどちらも約3割とほぼ同じくらいということがわかります。 70歳代の単身世帯において貯蓄ゼロの世帯は、二人世帯の貯蓄ゼロの世帯の「19.2%」よりも「7.5ポイント」も高くなっています。 一方、2000万円以上を達成している割合は、二人以上世帯の「27.1%」と単身世帯の「25.5%」は、よく似た数値となっています。 ちなみに、全体の平均は「1529万円」、中央値は「500万円」となっています。 全体を見るときに、より実態をとらえた数値と言われる中央値は、二人以上世帯が「700万円」、単身世帯が「500万円」となっており、単身世帯の方が、貯蓄が少ない人が多い傾向にあることがわかります。 単身世帯においては、老後生活を助けるのは自分自身の貯蓄ですが、70歳代の貯蓄額からは「老後に意識が向かず貯蓄が遅れている人」もいれば、「老後を見据えて計画的に貯蓄ができる人」もいることがわかります。