元プロの父の反対を押し切って…健大高崎・センバツ優勝遊撃手はなぜプロ志望届を提出したのか【ドラフト候補インタビュー】
夏に大活躍も「もっと打てた」
――センバツ以降、ホームランが増えました。春の関東大会の宇都宮商戦での特大本塁打を見て、すごい変わったなという印象がありました。 田中 センバツが終わってから2~3週間ぐらい打てない時期が続きました。そんな中で自分でもなぜ打てたのか分からないホームランでした。あの試合、一打席目にレフトフライを打ったんですが、良い感覚がしたんです。次の打席に打てる気がしてきたら、ホームランを打てたという流れです。あのホームラン以降、調子は右肩上がりになりました。 ――夏の群馬大会は厳しいマークの中でも、しっかり打ち返しているのが印象的でした。 田中 マークされている中でも打ち返すのが良い打者だと思っています。マークされることを想定して、いろんなコースを打ち返す練習をしてきました。 ――決勝の前橋商戦では149キロ右腕の清水 大暉投手の速球を捉えて本塁打を打ちました。 田中 自分の前の打者が二者連続三振に終わって、雰囲気が悪い中での打席でした。最初はホームランを狙っていなかったんですけど、2ボールになった瞬間、これはいけると思って、狙って打ったんです。自分は速球派の投手は得意なので、打てない感じはしませんでした。 ――甲子園2回戦の智弁学園戦でも好左腕の田近 楓雅投手から3安打を打ちましたね。 田中 チェンジアップが良い投手ということで警戒していました。ただ自分の打席のときはスライダーが多く、まっすぐのような軌道で曲がっていくものでしたので、それほど苦ではありませんでした。途中からスライダーに狙い球を絞っていきました。3打席ともスライダーを打ち返しました。 ――夏の大会の安打13本はショートのプロ志望選手では石塚選手(花咲徳栄)に並ぶ記録数です。 田中 自分ではそんなに打った感じはしなくて。「もっと打てたんじゃないか」と思っています。 ――田中選手の守備を見るとダイナミックかつ堅実に打球をさばいている印象を受けました。どんな意識で守っていますか? 田中 全体練習が終わったあとの自主練習の成果が大きいと思います。足の使い方はどれが合うのかを考えました。1学年上に半田 真太郎さん(明治大)というすごく上手いショートがいて、半田さんぐらいスピードがあって、足を使わないと足が速い選手をアウトにできないと思って、半田さんから学びました。 とにかく一歩目がしっかりと切れることが大事で、それができると良い捕球位置で捕れるので、打者が打つ瞬間に集中して守っています。