「本場・アメリカへの留学が、今の自分へつながる第一歩」。広島ドラゴンフライズ・山崎稜の原点とは
2023-24シーズン、 『下剋上じゃけぇ』を現実のものとした広島ドラゴンフライズ。短期決戦で抜群の安定感を見せ、平均得点13.9点を稼ぎ出した山崎稜は、チャンピオンシップMVPを獲得した。ここでは開幕直前に聞いた山崎の新シーズンへの思いをお送りする。(全2回/2回目) 【写真】今シーズンからチームの指揮を執る朝山正悟ヘッドコーチ ―高校は昌平高に進学し、その後『スラムダンク奨学生』としてアメリカへバスケットボール留学をされました。 「アメリカでプレーできたことで自信もつきましたし、自分がどうやってバスケットとともに人生を送っていくかが見えてきました。あの経験があったからこそ今の自分があると思っているので、アメリカに行ったことは本当に良かったと思います」 ―渡米前からプロを目指していたのでしょうか。 「奨学生に応募した時は、漠然と『プロになりたいな』と思っていましたが、『絶対にプロになる!』というほどの強い意志ではありませんでした。『その先もプロを目指してやっていこう』という感覚になったのは、実際にアメリカに行ってからでしたね」 ―帰国後はプロ入りされ、広島は6つ目のクラブとなります。外から見ていた広島というチームの印象と実際とでは、違いは感じましたか? 「対戦相手として見ていた広島は、外国人選手がそれぞれみんな上手くて、パスもドリブルもシュートも、何でもできる印象でした。ボールも回してくれるし、シュートを打って外れてもリバウンドをしっかり取ってくれるから日本人選手もやりやすいだろうと思っていましたが、実際に入ってみたらその通りでしたね」 ―改めて、今シーズンはどんなシーズンにしたいですか。 「昨シーズンはワイルドカードでCSに出たので、今季は西地区1位を目指したいです。チャンピオンになったとはいえ、『広島には勝てる』と思っているチームや選手はまだまだいると思います。そうした周りからの評価を見返したいというか……広島が、栃木や東京、沖縄と並ぶ強豪チームの1つとして定着することを目指していきたいです。西地区1位、Bリーグ優勝のほかにも、今シーズンはEASL(東アジアスーパーリーグ)や天皇杯といった大会にも参加します。それらすべてでタイトル獲得を目指していきます」 ―そのためにも、山崎選手の果たすべき役割は大きいのではないでしょうか。 「チームが勝つために僕ができること、やらなければいけないことは変わりませんし、求められる役割に応えることができるとも思っています。一本一本のシュートを決めきってさらに成功率を上げることができれば、チームの勝利にも大きく貢献できるはずですし、シュート精度向上に対してのプライドは持っています」 ―初めて広島ドラゴンフライズの試合を見る方に、山崎選手のどこに注目してほしいと思いますか? 「やっぱりスリーポイントシュートですね。スリーポイントラインよりもさらに遠くから打つこともあって、それが決まるとチームにも勢いが出ます。そんなところも、ぜひ見てほしいですね。そういうシュートが連続して入ると一気に波が来るので、その波が起こる瞬間も、ぜひ試合会場で感じてもらいたいです」
広島アスリートマガジン編集部