55歳、夫婦で貯蓄は「1000万円」、退職金も「1000万円」出ます。これだけあれば、60歳から年金を受け取っても大丈夫でしょうか? 老後の生活が不安です…
足りない分を充足するにはどうすればよいか
今回のシミュレーションでは、標準的な世帯が60歳時点で2000万円の貯蓄があったとしても、そこから年金だけで生活していては家計がかなり厳しいことが分かりました。それではどうすればよいでしょうか? まず考えたいことは、60歳以降も働くということです。働きながら年金を受け取り、赤字を補てんする、働いている内は年金を受け取らないなどを検討してみましょう。 先述した通り、年金は65歳よりも前に受け取ると減額されてしまいます。今回のケースでも、60歳から受け取ると毎月の赤字額は9万7902円でした。 しかし、仮に65歳までは働いてその収入で生活し、65歳以降に年金生活に移行した場合、赤字額は毎月4万4026円です。毎月の赤字額が4万4026円であれば、夫婦が共に85歳まで生きたとしても65歳からの赤字額の累計は1056万6240円ですので、貯蓄と退職金の2000万円で補てんすることが可能です。
まとめ
標準的な世帯では、仮に60歳時点で2000万円の貯蓄があっても、そこから完全に年金生活になると家計が厳しくなりそうです。一方、65歳まで働いた場合は、その後は年金と貯蓄だけでもなんとかなるかもしれません。 とはいえ、今回の支出はあくまでも平均的な場合であり、実際は例えば毎年旅行をしたい、子どもや孫のためにお金を使いたいなど、条件はさまざまです。持ち家でローンを完済していたとしても、修繕費などがかさむ場合もあるでしょう。また、長生きすればするほど、貯蓄は少なくなっていきます。 自身の家庭の支出を把握した上で、年金を受け取り始める時期を検討しましょう。 出典 総務省 家計調査報告〔 家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要 厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部