【大分】受動喫煙の危険を知る
大分朝日放送
大分市中心部の街頭にある喫煙所がパーティションで囲われました。 たばこの煙を周りの人に吸わせてしまう「受動喫煙」を防ぐことが目的です。 この受動喫煙、間違った認識をしている人も多いようです。 (江藤記者) 「高さは2m程でしょうか、このガラスによって歩行者へ煙が流れるのを遮ります」 5枚の強化ガラスでできたパーティション。 日本たばこ産業が大分市に設置を提案したことがきっかけです。 大分市は条例で中心部での路上喫煙を禁止し15カ所の指定喫煙所を設けていてパーティションはそのうち大分市府内町の中央通り沿いにある喫煙所に置かれました。 (大分市ごみ減量推進課 高井慎二さん) 「目立つパーティションで喫煙所があるんだと(気づいてもらえる)。風向きによっては煙がくるが遮るものがあることで安心する」 11月以降ほかの2カ所に設置する予定です。今回の取り組みに街の人は… (喫煙する人) 「Qあったらこの中で吸おうとなる? A.そりゃあ思います。いいと思う」 (喫煙しない人) 「前は灰皿だけ置いていた。あれよりはいいかな。(タバコの)臭いはやっぱり気になる」 たばこの煙を周りの人が吸ってしまう「受動喫煙」。どんな体への影響があるのでしょうか。 (大分市保健所 鹿嶋義子さん) 「健康被害があり肺がんになるリスクが受動喫煙を受けない人に対して1.3倍。 近くで吸っている人が見えないけれど、なんだかたばこ臭いなということは見えていなくても有害物質を吸っている」 受動喫煙は私たちの体にどんな影響を及ぼすのか。 また、実は間違った認識を持った人も多いんです。 フカボリです。きょうはその受動喫煙についてです。 改めて「受動喫煙」とは、本人はたばこを吸わなくてもほかの人のたばこの煙を吸ってしまうことです。こちらの数字をご覧ください。 国内、年間1万5千人。 実は…受動喫煙が原因で病気になり死亡したと推計される人の数なんです。 大分県内の喫煙率を見てみますと、だんだん減ってはきています。 一方で全国での受動喫煙の場所を見ると、2023年最も多かったのが「路上」が23.6%でした。 (下野アナ) 普通に道を歩いていて煙を吸ってしまうという可能性もあるんですね。 ではたばこの煙はどのくらいの距離まで飛ぶかご存じでしょうか。 実は14m先まで届くともいわれています。 今回、大分市の路上喫煙所に置かれたパーティションは完全に仕切られてはいませんので、100%、煙を歩道に流さないようにできるわけではありませんが、喫煙所の場所が目立って認識してもらうことで、路上喫煙を防ぎたいという狙いもあります。 では受動喫煙はどんな健康への影響があるのでしょうか。 国の研究機関によりますと、すぐに現れる症状としては、目の痛みやせき、頭痛、ぜんそくなどがあります。 また、長期的には肺がんや心筋梗塞、子どもは中耳炎のリスク、妊娠している人は流産や早産の危険もあるそうです。 そして実は意味のない対応をしている人が多いんです。 大分市保健所にその例を聞きました。 まず、家の中の換気扇の下やベランダで吸っているから大丈夫だと思っている方。 これも意味はありません。 たばこの煙は粒子が小さくてすぐに部屋の中に広がってしまうため換気扇では吸いきれません。 また、別の部屋で吸ったとしても、服や髪の毛など全身に煙をまとっているので、部屋の中に持ち込んでしまいます。 また吸って数分経ったから大丈夫だと思っている方。 実は、喫煙後45分間は吐く息に有害物質を含んでいるそうです。 このデータを元に、大分県外では45分間エレベーターの使用を制限する。 また職場に戻らないよう制限するという企業も出てきています。 大分市保健所は、吸う人も吸わない人もお互いに思いやりを持ってほしいと話していました。