191人が紡ぐ帝劇の軌跡 市村正親&堂本光一&井上芳雄が巻頭座談会 公式アニバーサリーブック発売
来年2月に建替のため一時休館に入る東京・帝国劇場の歴史を記した公式書籍「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」が同1月15日に発売されることが3日、分かった。1966年開場の現帝劇を彩った191人の俳優・クリエーターを紹介。「ミス・サイゴン」の市村正親(75)、「SHOCK」シリーズのKinKi Kids・堂本光一(45)、「エリザベート」などの井上芳雄(45)による巻頭座談会、松本白鸚(82)の「ラ・マンチャの男」など証言と写真で帝劇の軌跡をたどっている。 俳優たちの汗と涙、クリエーター陣の創意工夫、そして観客たちの感動が詰まった現帝国劇場の歴史が一冊の書籍になる。2代目となる現在の劇場は、改修を迎える来年が開場60年目。演劇、ミュージカル、歌舞伎など再演を除いて350を超える演目が上演された日本を代表する劇場だ。 特長は、記録をもとにして作られた歴史を振り返る資料ではなく、演目に関わった当事者たちが話し手や書き手として関わっている点だ。巻頭を飾るのは「ミス・サイゴン」日本初演以来、帝劇でエンジニア役を足掛け30年間演じた市村、今や帝劇の代名詞と言える活躍を見せる光一と井上の3人による座談会。 光一は「人を変える力があると思う」と帝劇への愛情を口にし、リニューアル後の帝劇への期待も語られた。市村は「どんな感じになるのかな。楽しみ」と期待を込め、光一は「求められる存在でいられるように頑張らないと」、井上も「そこに自分も参加させてもらえるような俳優でいたい」と話している。 その他にも松本白鸚の代名詞「ラ・マンチャの男」の魅力について、共演した娘の松たか子による熱い証言、初演となった87年の初日に「レ・ミゼラブル」でジャン・バルジャン役で出演した滝田栄は23年ぶりに帝劇を訪れ、初演メンバーと当時の苦闘を語った。「エリザベート」「モーツァルト!」の歴代主演キャスト座談会も行われた。 さらに「マイ・フェア・レディ」で主役を演じた大地真央が、役を引き継いだ神田沙也加さんへの思いを語り、先月17日に他界した西田敏行さんが「屋根の上のヴァイオリン弾き」のテヴィエ役について語った7月時のインタビューも収録。登場する191人が持つ帝劇への愛と思い出が、356ページの書籍に詰まっている。