ビットコインETF、6億ドル以上の流出──CME先物プレミアムが需要の低迷を示す
アメリカで上場されているビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は12月19日に記録的な流出となった。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の先物プレミアムは1桁台に下落し、短期的な需要の弱まりを示した。 投資家は15日間にわたって続いた資金流入の流れを断ち切り、11のETFから6億7190万ドル(約1041億4450万円、1ドル=155円換算)の資産を引き出した。コイングラス(Coinglass)とファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)のデータによると、これは1月11日の取引開始以来、1日当たりの流出額としては最大である。 フィデリティ(Fidelity)のFBTCとグレイスケール(Grayscale)のGBTCはそれぞれ2億850万ドル(約441億7500万円)、1億8860万ドル(約292億3300万円)の流出となり、流出額の上位となった。他のファンドも流出を記録し、ブラックロック(BlackRock)のIBITは数週間ぶりにゼロを記録した。 ビットコインは19日、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の会合後に下落幅を拡大し、今週初めに記録した最高値10万8268ドルからほぼ10%下落し、9万6000ドルまで値を下げた。 弱気な見方はデリバティブ市場にも反映され、アンバーデータ(Amberdata)のデータによると、CMEの規制された1カ月物のビットコイン先物の年率プレミアムは9.83%まで下落し、ここ1カ月で最低となった。 プレミアムの低下は、ETFのロングポジションとCME先物のショートポジションを絡めたキャッシュ・アンド・キャリー裁定取引による利益が以前よりも少なくなっていることを意味する。そのため、ETFは短期的に需要が低迷する可能性がある。 イーサリアム現物ETFも6050万ドル(約93億7750万円)の純流出を記録した。これは11月21日以来のことだ。イーサリアム(ETH)は19日の連邦公開市場委員会(FOMC)の前の4100ドル以上の水準から20%下落している。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Spot Bitcoin ETFs See Record Withdrawals as CME Futures Premium Signals Weaker Demand
CoinDesk Japan 編集部