ハンドボール、母、仕事。3足のわらじを履く高木エレナが伝えたい“続ける”ために大切なこと
「高校卒業後に女子選手の競技登録者数が激減してしまう」ことは、多くのスポーツに共通する課題だ。スポーツ用品を手掛ける株式会社モルテンは、2021年からスタートした「KeepPlaying プロジェクト」で競技継続をサポートする活動の輪を広げてきた。今回は、育児と仕事、競技の“3つのわらじ”で活躍する高木エレナ選手にインタビュー。日本ハンドボールリーグ・三重バイオレットアイリスのゴールキーパーとして日本代表歴も持ち、2度の出産を経て現役に復帰。一時は引退を考えながら、「もう一回挑戦してみたい」と産後の復帰を決断した心境の変化とは? 子どもがいる女性アスリートが競技を続けるための課題や、長く競技を楽しむためのアイデアも語ってもらった。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真提供=高木エレナ)
3足のわらじをどのように履きこなしているのか?
――高木選手は三重バイオレットアイリスのゴールキーパーとして長く活躍してこられた中で、2度の出産を経て、昨年2度目の復帰を果たされました。まず、高木選手が考えるハンドボールの魅力を教えていただけますか? 高木:ハンドボールは攻守の切り替えが早く、「空中の格闘技」とも言われますが、なんといっても一番の魅力はゴールキーパーだと思っています! どんなに苦しい展開になっても、ゴールキーパーが死守すれば流れが大きく変わるのでヒーローにもなれるし、見ていても、やっていても魅力あふれるポジションです。 ――攻守のカギを握る、華のあるポジションですよね。高木選手は、アスリートと仕事、2人のお子さんの育児という3足のわらじを履きこなしていますが、どのようなスケジュールで日々を過ごしているのですか? 高木:朝は6時ぐらいに起床して、7時半ぐらいに家を出て、8時半から仕事をしています。今は勤務先のホンダロジスティクスで時短勤務をさせていただいているので、15時半までです。そこから保育園に子どもたちをお迎えに行って、ご飯などを済ませた後、チームの練習が6時45分から9時半ぐらいまでです。練習メニューがウエイトトレーニングの日などはチーム練習には参加せず、個人で家庭に専念させてもらう日もあるので、練習は週に3~4回ぐらいですね。 ――かなりハードな毎日ですね……。移動時間も含めると、就寝時間はかなり遅くなりそうですが、体のケアはどのようにしているのですか? 高木:頑張ればその日に寝られるという感じですね(苦笑)。子どもたちと一緒に練習に行くこともあるので、帰ってくるとすぐにお風呂に入らせて、寝かせるときに、自分もそのまま寝落ちしてしまって朝がくることがほとんどです。だからケアはできないことも多いのですが、休みの日に子どもたちと一緒にテレビを見たり、遊びながらストレッチをしたりしています。