【高校ラグビー】東福岡7トライ圧勝劇 NO8古田主将「あの涙が原動力」仲間の思いも胸に
<全国高校ラグビー大会:東福岡47-3光泉カトリック>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場 前回大会準優勝の東福岡が貫禄発進した。光泉カトリック(滋賀)に選手5人で計7トライと圧倒。主将でNO8古田学央(がくあ、3年)が2トライの大活躍で、チームの初戦突破に貢献した。今大会登録メンバー30人中1、2年生が16人。3年生部員41人の半数以上がサポート、応援に回った。苦楽をともにしてきた仲間の思いも胸に、2大会ぶりの全国制覇へBシードからの逆襲を狙う。 ◇ ◇ ◇ “ヒガシの逆襲”が幕を開けた。口火を切ったのはNO8古田主将だ。前半3分、ゴール5メートル手前でパスを受け取る。軽快なフットワークで相手1人をかわし、最後は中央へ飛び込んだ。先制トライを決め「みんながつないでくれた。最後の大会にかける思いは強い」。後半17分は右中間へ2本目。7トライの圧勝劇を呼び込む大活躍だった。 仲間の思いが、主将の心を突き動かす。「あの涙が自分たちの原動力になっている」。12月22日のこと。選手全員が学校内の一室に集まった。藤田監督が花園メンバーを、その場で1人ずつ発表していく。公平な選考レースの結果、今大会登録30人中16人が1、2年生となった。3年生部員41人の半数以上がメンバー外。悔し涙を流す同期の姿に古田主将は「今の3年生はいいやつらばっかりで…。もっと一緒にラグビーをしたいと思ったら、自分も涙してしまって」と胸を打たれた。立場は違っても、最上級生が互いに涙を流し、結束はさらに強くなった。 3年生は例年に比べて、実力は劣る。毎年10人程度の高校日本代表候補を擁す「タレント軍団」も、今年はわずか2人。実績も、春の全国選抜大会で初戦敗退、6月の九州大会では大分東明に負けて大会8連覇を逃した。ノーシードも覚悟していただけに、指揮官は今大会のBシードは「サプライズ的なこと」と言う。 直近2大会は優勝→準優勝とともに決勝まで勝ち上がってきた。古田主将は「試合に出られない3年生の分も、自分たちは1日でも長くグリーンジャージーを着ていたい」。名門の誇り、仲間の思いも背負って2大会ぶりの頂点を狙う。【佐藤究】