「母への永遠の愛を滑りたいな」浅田真央が明かすアイスショー『Everlasting33』に込めた“愛”「誰も見たことのない景色を届けたい」
「ミュージカル映画のような舞台をやりたい」
またタップダンスの第一人者であるHideboHとの共演にも挑んだ。観客通路やリンク内の移動舞台に乗り、2人が軽快なタップを披露する。通路を使った演出は、アイスショーでは実現できなかったものの1つだ。 「タップは習い始めてから4年ちょっと。『いつかはHideboH先生と、昔のミュージカル映画のような舞台をやりたい』と思っていました。自分の師匠と一緒に舞台に立てるなんて、こんなに幸せなことはないです」
「私の身体がとろけていくような気持ちに…」
中盤にはもう1つ、新たな挑戦がある。それは振付師でダンサーのSeishiroとのコラボレーション演技だ。 「Seiちゃんとは、コマーシャルの現場で振付師として出会い、その時に直感で『BEYOND』の振り付けを依頼してからの縁です。同い歳なので『同世代として一緒に新しいものを作っていこうね』という約束をしている仲なのです」 リンク上にダンス用の特設舞台を設置。2人で米津玄師の『地球儀』を踊る演目は、エネルギーが一体化し、不思議な空気を醸し出す。 「ダンスの途中でハグをするシーンがあるのですが、その瞬間に、私の身体がとろけていくような気持ちになります。それは今までに感じたことのない、神に包まれるような体験。Seiちゃんの身体から壮大なエネルギーが出ていて、私達は永遠に繋がっていくという気持ちで演じています」 また、“劇場”という場所を生かし、全曲オーケストラによる生演奏を決めた。歌手の生歌やライブを取り入れるアイスショーはあるが、“全曲”となると初めてだ。普段は録音された音楽で何百回と練習をこなし、動きを身体に叩き込んでいくため、生演奏でどんな影響が出るのかは未知数だった。 「オーケストラと合わせて練習できる機会も限られるので、始まるまでは『大丈夫かな』という不安はありました。でも初日に滑った瞬間、そんな不安は完全に消えて『生演奏ってこんなに気持ち良いんだ! 』と。本当に『究極の贅沢だな』という感動でいっぱいです」 もちろん、シアターオーケストラトーキョーの経験値の高さも大きい。熊川哲也率いるKバレエの楽団として、バレエの生演奏を担ってきたオーケストラ。演者の気持ちに寄り添い、盛り上げるプロである。 「指揮者と目があって、一緒に呼吸する瞬間は、もうたまらなくてシビれます。伸びやかに滑りたいときに、伸びやかに指揮をしてくださり、力強くテンションが上がっていく時にテンポも上がっていく。本当に面白いです。生きている音がそこにあって、自分たちも生きているスケートを生み出して、その2つが合わさった瞬間は、何ものにも代えがたいスペシャルな時間です」 さまざまな思いを詰め込んだショーだが、演目については違った。「私が滑りたい曲ではなくて、ファンの皆さんが『滑って欲しいな』と思う曲を贈りたいと思いました」
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