祖父が相続対策として毎年「100万円」を渡してくれるようです。基礎控除以内だし、毎年受け取っても「税金」はかかりませんよね?
生前に配偶者や子、孫などに財産を贈与するのが生前贈与で、相続税対策の1つとしてよく利用されます。「相続税」は亡くなった時点での財産から支払う金額が決まるので、生前贈与することで税金を減らすことができます。 しかし、贈与をする場合は「贈与税」がかかる可能性があるので注意も必要です。そこで本記事では、生前に贈与をする場合の注意点について解説していきます。特に毎年一定額を渡すような贈与について紹介していくので、ぜひ参考にしてください。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
贈与税は税率が高い!
個人から財産を受け取った場合に支払う必要があるのが贈与税です。贈与税は税率が高く、最も低い税率でも10%、最大で55%もかかるので、贈与によって財産を受け取る場合は気をつける必要があります。 もっとも、贈与税には基礎控除があるので一定額までは納税の対象となりません。贈与税の基礎控除は1年間で110万円です。この1年間とは、対象となる年の1月1日から12月31日までの期間です。 これらのことから、事例のように年間100万円の財産を受け取る場合は、基礎控除以内なので税金がかからないように思えます。しかし、「毎年一定額を受け取る」場合は税金がかかる可能性があるので注意が必要です。
定期贈与に注意
1年間に110万円以内の贈与を受ける場合は、税金がかからず、申告する必要がありません。しかし、毎年一定額を渡すように契約している場合は「定期贈与」とみなされて税金がかかる可能性があります。 「数年間に毎年一定額を渡す」といった契約をしている定期贈与は、契約した年に合計額の贈与税がかかってしまいます。例えば、10年間にわたって100万円を贈与する場合や500万円を10年間に分割して贈与するといった契約の場合です。 1年間でみると基礎控除内で収まっているため税金がかからないように見えますが、定期贈与となるとまとめて贈与をしたとみなされてしまいます。 つまり、事例のように毎年100万円を渡すような契約の場合は、100万円に対してではなく合計額の贈与税がかかるのです。10年間受け取るように契約した場合は1000万円の贈与を受けたことになり、多くの税金を支払う必要があります。