「窮屈な世の中に」 駅の“タコハイ看板”に批判殺到で撤去 地元は複雑心境…サントリーに聞いた今後
田中みな実が開駅式に登場するなど大々的にアピールしていた
5月18日からサントリーホールディングス株式会社(東京・港区)と大田区商店街連合会が共同で開催している「こだわり酒場のタコハイ」関連イベントに賛否両論が寄せられ、問題となっている。公共の場における酒類の広告は、どうあるべきなのか。現在の状況や今後のイベント開催について聞いた。 【写真】田中みな実がグラス片手にアピール 京急に設置された「タコハイ」の看板 「こだわり酒場のタコハイ」は2023年3月7日から発売されたリキュール飲料。サントリーのホームページ(HP)によると、「柑橘(かんきつ)の口あたりと焙(ばい)煎麦焼酎の香ばしい風味」が楽しめるプレーンサワーとなっている。 問題となったのは同社が販売している「こだわり酒場のタコハイ」と、京浜急行電鉄(京急)の京急蒲田駅(同区)がコラボレーションしたイベント。5月17日には同商品のCMに出演している俳優の田中みな実が「京急蒲タコハイ駅」開駅式を行うなど大々的にアピールしていた。 しかし、開催直前の同日、アルコールなどの依存関連問題の予防に取り組むNPO法人の「ASK」が「駅名看板等の『京急蒲タコハイ駅』への変更とホームでの『京急蒲タコハイ駅酒場』開催の中止を求めます」と声明を発表。「駅は不特定多数が利用する極めて公共性が強い場です。乗客には、20歳未満、ドクターストップで禁酒・断酒中の人や飲めない体質の人もいます。また、早朝からの通勤・通学や勤務の移動時に酒類広告はなじみません。駅の呼称を期間限定で『京急蒲タコハイ駅』とし駅空間をその仕様に変更するなど、公共性を完全に無視した愚行です。絶対にやるべきではありません」とイベントの終了と広告の出稿を取りやめるよう求めた。 今回のイベントについてサントリーはENCOUNTの取材に対し、「生活者の日常に深く根差し、愛される京急電鉄様への親しみの力を借りて、『こだわり酒場のタコハイ』との印象的な接点を創出することを目指し実施」したと説明。社に寄せられた抗議や意見について、具体的な内容や件数は差し控えるとした上で、「当社お客様センターに数件頂いております」と答えた。 そして、今回の騒動を受け、駅名看板特別装飾の期間を短縮(すでに撤去済み)し、駅構内に掲出する予定だった広告を縮小して対応。一方で、6月8~9日に開催が決まっているイベント「京急蒲タコハイ駅酒場」については、予定通り実施するとしている。 また、京急は「サントリー様が主体であるため、回答できない」とした。